源氏物語 読書会 11花散里~15蓬生 | 翡翠のブログ

翡翠のブログ

日々の徒然をつづっています。コメントは承認後公開させていただきます。

今日は、午前中にワンコの散歩。午後、仕事関係のオンライン研修。そして夜は、源氏物語読書会 第3回 11花散里~15蓬生。

 

各帖の読書メモ

11.花散里

短いので、このくらいだと原文でも読める。

(源氏)橘の香をなつかしみほととぎす 花散る里をたづねてぞとふ

 

12.須磨

朧月夜の件で官位をはく奪され、流罪とされることを危ぶみ、謹慎の意を示すため須磨に退去します。

(源氏が藤壺の元を訪れて)「かく思ひかけぬ罪には当たりはべるも、思うたまへあはすることの一ふしになむ、空も恐ろしうはべる、惜しげなき身は亡きになしても、宮の御世だに事なくおはしまさば」

(上巳の祓)「八百よろづ神もあはれと思ふらむ犯せる罪のそれとなければ」

この辺りの帖を演じた市川海老蔵さんの源氏物語、とっても良かったなあ。続きも演じていただけたら嬉しいのですが。

13.明石

前帖より続く嵐の中、源氏の夢に現れる桐壺帝。「などかくあやしき所にはものするぞ」「住吉の神の導きたまふままに、はや舟出してこの浦を去りね」「これはただいささかなる物の報いなり」「いみじき愁へに沈むを見るにたへがたくて」と源氏を心配して訪れ、朱雀帝を叱りに行く源氏ラブパパ。

ここのところで、前回の読書会もでしたが今回も、桐壺院は源氏と藤壺のことを気づいていたのだろうか?と話題が出ました。前回の記事にも書いたように、定説では気づいてなかった説が優勢らしいのですが、私も今回のグループの皆も、薄々は気づいていたような気がする。書かれてはいませんが。

 

この帖で、一番読みごたえがあったのは、源氏と明石の君との関係、やりとり。当初、源氏は明石の君を下に見ているのですよね。明石の君がやって来るなら会うと言う。女の方から来させるというのは、召し人のような下の者の扱いで、いくら明石入道に財産があっても受領、源氏とは身分に大きな開きがあるわけなので、下手をすると以前の中の品の女たちのようにいいかげんにあしらわれて、その場だけの関係として消費されてしまう危険性もある。

それに対して明石の君は、恐れ多い、恥ずかしいという理由で、そのような形を拒絶し、とうとう光源氏の方から明石の君の元を訪れる。拒んだこと、手に入れがたいものと思わせたことで、結果的に源氏に一層執着させられたわけで。そして、明石の君の歌と手跡に六条の御息所に似たものを感じた源氏は、通うようになります。

プライドからか、身分の違いを恐れ恥じてかわかりませんが、簡単になびかないからこそ、源氏を惹きつけ、そのうえで、ちゃんと自分で優れた資質を見せる機会を作った明石の君は、この後の話を通じても、世間的には最も恵まれた女性と言えると思います。

しかし、読書会では、明石の君の内面、人となりがよくわからない、描かれていないとの指摘があり。確かに、琴が弾けるとか和歌の手紙が素晴らしいとか、客観的にできることが書かれているけれど、人となりが伝わってこない。源氏に応えないことも、本当に恥ずかしいからか、コンプレックス?、内面にはプライドもある?等。前回読んだ時には、計算やプライドが中にあるように読んだのですが、今回意見を聞いて読み直すと、確かに入道、父親の言うがまま、流されている、自分が無いようにも思えてきました。

 

14.澪標

明石の君に女児が誕生。

源氏から明石の君への歌。
みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐり逢ひけるえには深しな
明石の君から源氏。
数ならでなにはのこともかひなきになどみをつくし思ひそめけむ

 

六条御息所が娘、前斎宮を源氏に頼みつつ亡くなります。

 

15.蓬生

久しぶりに末摘花の話。初登場時の描かれ方より、紫式部の筆が優しい気がする。

 

毎回、一日一帖だと、展開がすごく早いです。