相方は差し入れにのど飴やハチミツをもらってくる。キンカンの砂糖煮の時もある。一日中話し続ける喉をいたわってくださるのだ。
この間、帰宅した夫の声が初めて少し枯れていて
「ハチミツは喉のための蜂蜜レモンをつくってやってほしい」という皆さんのお心遣いかと、その時初めて気づいたトロい私。
さっそく蜂蜜レモンをつくり、子どもたちもお相伴にあずかった。
相方は調べものの手を止めて
「ウマイ!」
とマグカップを空にしていた。
声を使う仕事をしていたので経験があるが、喉は痛めると、一瞬でぽそっと声が無くなる。無くなるともう「うんともすんとも」言えなくなる。
あきれるほど丈夫にできている夫の体も、尋常じゃない回数の演説をぶっていたら、やはりぽそっといくのかもしれない。
私は急に焦った。
頭には走馬灯のように恐ろしい出来事が流れた。
ー街頭で演説に立つ候補者の声が出ない。皆慌てる。マイクのスイッチ入ってるか?あれ?声か?
筆談でスピーチはできない。
万事休す。
ー仕方ないから候補者の後ろで影武者弁士がマイクを握り、候補者は口パク
そんなアホな。
街宣はキャンセル。
みんなに声が届けられない。
政策が語れない。
ーテープをかけながらビラを配る候補者
そんなことダメ!
無駄にバカな走馬灯が何周かしたが
その夜は他のことに紛れて寝てしまった。
明くる朝、果たして相方の声は復活していた!
タフだ。タフ過ぎる。
いただいたハチミツに何か特別なものが入っていたのだろうか?
選挙戦はまだ何日もある。
ハチミツ、のど飴、皆さんのいたわってくださる気持ち、みんな大事にいただいて、最後まで元気にかっ飛ばしてほしい。
これは京都市長選に出馬を表明している福山和人弁護士のパートナーおかねともこ(イラストレーター)が、「家族の目から見たふくちゃん」を綴ったエッセイです。
2018年府知事選のときの「ふくふく家族」と同様、リラックスしてお楽しみください。
前回のシリーズはこちら→http://www.fukuyamakazuhito.jp/fukufukufamily

