夫は大きい。ガタイがデカい。
家のテーブルの椅子にしょっちゅう足をぶつけ、「たっ!椅子がジャマやねん。わが家は狭いなあ!」
おでこに傷をつくっているから、どうしたのかと聞くと
「トイレの個室で打ったんや。まったくこの世界は俺には小さすぎるわ」
かなり大袈裟に言っている。これは定着したギャグ。
道を歩けば大股でドンガドンガ行く。
うちの小6のチビなんか、お父さんの後ろを走っている。
「自分大きいねんから、ちょっと加減して歩いてよ」と喘ぎつつ訴えると
「君たちがちっちゃすぎるねん。それ、停まってるやん」と心底辛気くさそうに言う。
体も大きいからくしゃみも大きい。
藪から棒にボッカーン!と爆発音。ビックリしてこちらは呼吸が止まる。壁の三線がビヨ~ンと共鳴する。ストーブもワンワン鳴る。
声も大きい。マイクで話していたら誰よりもよく通る。ついでに言うとよく通る声で歌も上手い。
司法試験の受験生時代にカラオケ屋で出会ったのだけど
「この人たち、こんなに歌が上手いけど、ホントにちゃんと勉強してるのかしら」
と心配したほどだ。
またあるときは、テレビを見ていると、その大きい声でいきなり「おーっっしっっ‼️」と握りこぶしで立ち上がる。みんな心臓が止まる。
スポーツ観戦は静かにできないらしい。あの爆声(?)は地雷並みの破壊力だ。家族は迷惑している。
カラは大きいけれど怖いのは蜘蛛。
昔、トイレにいた小さな蜘蛛に驚いて、蟻を怖れる象さんよろしく、横っ飛びにふっ飛んで、かけていたメガネを折ってしまったこともある。
そんな意外な面もあるけど、夫は全体的におおらかに構えている。カラに合わせて夢もでっかい。
この心優しい大男が世の中をよくするような大きな仕事をさせてもらえたら素敵だろうなと思う。
これは京都市長選に出馬を表明している福山和人弁護士のパートナーおかねともこ(イラストレーター)が、「家族の目から見たふくちゃん」を綴ったエッセイです。
2018年府知事選のときの「ふくふく家族」と同様、リラックスしてお楽しみください。
前回のシリーズはこちら→

