府知事選挙に出たのは一年前。あのときは「まさか本当にうちにお鉢がまわってくるなんて」とあたふたした。
今回は市長選。
いろいろな事柄があったので、私はギリギリまで夫がどういう決断をするのかわからなかった。それに、ちょうど夏から闘病していた夫の母がついに病魔に負けてみまかるかという時期と重なっていた。私は子どもたちと毎日ホスピスに通っていた。
出馬するということ。それは、私たち家族の都合よりもっと大事なこと、もっと違った大きな力が働いて決まるように思う。それは「頑張ってほしい」と言ってくれる多くの人たちの声だったり、弁護士としての夫の事務所の都合だったり。
結果として、夫が「今度は市長選挙で頑張る。京都市から政治を変えていく」と決意して正式に表明したのはまさに、お義母さんが亡くなった晩を前後していて、夫は葬儀屋さんをハラハラさせる喪主になった。
お通夜や葬儀は遺言通り子どもたちと私たちの家族四人だけで済ませたのだが、明るかったグランマに似つかわしく、笑いに満ちた愉快なお葬式だった。
お葬式の翌日から夫はフルに忙しくなった。
盛りだくさんな一日の仕事から帰ると、夫はお義母さんの写真に手を合わせ、何やら呟いている。
「おかん、頑張るわ」
チーン!
グランマのために仏具店で買った小さな鈴虫鈴の音色がのびやかに響く。
広がれ!「市政変えよう」の輪。
これは京都市長選に出馬を表明している福山和人弁護士のパートナーおかねともこ(イラストレーター)が、「家族の目から見たふくちゃん」を綴ったエッセイです。
2018年府知事選のときの「ふくふく家族」と同様、リラックスしてお楽しみください。
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