その4 緊張する夫 | 『続 ふくふく家族』 by おかねともこ

『続 ふくふく家族』 by おかねともこ

京都市長選の予定候補・福山和人弁護士のパートナーおかねともこ(イラストレーター)が「家族の目から見たふくちゃん」を綴ったエッセイです。
2018府知事選のときの「ふくふく家族」同様、リラックスしてお楽しみください。

原稿もなしにマイクをにぎる夫は堂々としゃべる。どんな時にも緊張するということがないのだろうか。見た目にはよくわからない。

野球三昧だった若い頃も、本はドカドカ読んでいたらしいから、たくさん語彙があって余裕があるのかもしれない。私はよく彼を字引代わりに使う。

「ふくちゃん、あの、すごく怒って髪の毛がブワッと立つぐらいって言葉なかった?」「怒髪天を突く、か?」「それそれ♪」ーこんな具合。

余裕があるから、スピーチの最中に緊張で頭が真っ白になってしまうこともめったにないのかも。それは何も語彙の豊富さだけではないだろうが。

あまり夫が緊張するのを見たことないが、大昔、わかりやすいのがあった。それは結婚の申し込みにうちの両親に挨拶に来てくれたとき。

それより何年か前に買ったキチキチのスーツの中に小さく固まって、彼は座布団に座っていた。堅苦しいのが苦手なうちの父は

「まあまあ、これ食べぇな」

とジャージ姿で彼に煎餅を勧め、いっこうに本題に入らせてくれないので、私がしびれを切らして

「ちょっと聞いたってくれへん?」と言ったのだった。

寸足らずのスーツの中でカサの高いお地蔵さんみたいになっていた彼は、無事に言うべきことを言い、今日の我々があるのだが、あれだけ分かりやすく緊張している夫を他には知らない。

 

 

これは京都市長選に出馬を表明している福山和人弁護士のパートナーおかねともこ(イラストレーター)が、「家族の目から見たふくちゃん」を綴ったエッセイです。

2018年府知事選のときの「ふくふく家族」と同様、リラックスしてお楽しみください。

前回のシリーズはこちら→

http://www.fukuyamakazuhito.jp/fukufukufamily