我が家の本棚の一角。
故相良敦子先生の書籍が並んでいます。
今から10年以上前。
モンテッソーリ教育を知り、図書館で一番最初に借りた書籍は「お母さんの敏感期」でした。
けれども、母にはタイトルにもなっている「敏感期」という耳慣れない言葉が、読了した後も、やはり耳慣れず、モンテッソーリ教育の特殊性だけが浮き彫りになった印象でした。
クリアーにならない想いを抱えたまま読み進めた相良先生のシリーズ。
名著「幼児期には2度チャンスがある」の終章「モンテッソーリ教育を受けた子どもたちのその後」というチャプターで語られている小学校高学年以降に目立ってくる教育効果。
「学園を自主的にリードできる生徒はだれか」という問いかけで始まるこのチャプター。
「モンテッソーリ教育を受けたからって、そんな効果が本当にあるの?」と、どこか懐疑的にならざるを得なかったことを記憶しています。
世のお母さんの救世主とも言われるこれらの書籍を受け入れることが出来なかった日々。
当時の母は、母親としての自尊心もなければ自己肯定感もゼロでした。
娘と心が通い合わないとすら感じていた毎日は楽しいと感じられることもなく、長いトンネルをただただ裸足で歩いていたかのような時間。
しかし、そんな親子にも、見よう見まねで始めたおままごとのようなホームモンテッソーリの恩恵を感じられる時間がやってきます。
母が行ったことといえば、娘の好きそうなおしごとを1つ用意し、ただ見守るだけ。
間違っていても、なんとか我慢。手を出したくても、口を出したくても、まずは我慢。
見守るということがこれほど辛いのかと痛感しながら、とにかくただじっと見守っている時間。
すると、集中しはじめた娘。
こんな時間が、ちょっとずつギスギスしていた親子関係を修復しはじめていました。
あれから10年。
小学校最後の年を迎えているホームモンテッソーリ育ちの娘は、相良先生の書籍に書かれていたお子さん像と重なる面があるような気がします。
相良先生の偉大さに圧倒され、出来損ないの新米母は、先生のお言葉を受け入れることが出来なかった当時。けれども、娘の姿が母の凝り固まっていた心を溶かし、また先生のお言葉を受け入れる準備をさせてくれました。
相良先生が逝去されて早5年。
日本モンテッソーリ協会の学会誌に寄稿される文献を読ませていただくのが母の楽しみでしたが、もう手に取ることはできないのだと思うと、残念で仕方がありません。
先生のお言葉にいつでも触れられるようまとめたファイルは母の宝となっています。そして、ラベル作り等細々とした作業はすべて娘が引き受けてくれるのも、モンテッソーリ教育の恩恵だと感じます。
時には手書きのページを寄稿してくださっていました。
何度読み直したか分からない日経DUALの追悼記事。」
直接お会いすることも、お声を聞くこともなかった出来なかったけれど、こうして活字から伝わってくる相良先生の奏でるモンテッソーリ教育に心酔しています。
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