ホームモンテッソーリに次世代科学スタンダード(NGSS)を取り入れる | モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

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中2の娘とワーキングママによる2歳からのホームモンテッソーリとバイリンガル育児の足跡を綴っています。

現在受講中のモンテッソーリ教師養成講座セカンダリーコース。この講座では改めてモンテッソーリ女史の医者として、そして自然科学者としての功績を振り返る機会が沢山あります。人間には生まれながらに定められた発育のステップが存在し、その順序に沿った教育を展開した女史。科学者としての鋭い洞察力と知見があったからこそ、生まれたモンテッソーリ教育。この教育法は、サイエンスの力なしにはあり得なかったと言っても過言ではありません。

 

ここ数年、STEM教育というキーワードと同様、よく目にするようになったNGSSというキーワード。 "Next Generation Science Standards"の略で、日本語では次世代科学スタンダードと訳されています。NGSSとはアメリカの州先導のK-12までの科学教育のスタンダード。科学と工学を統合させたInquiryベースの到達目標とでも言えるでしょうか。Common Core(共通カリキュラム)同様、モンテッソーリスクールでもNGSSを取り入れるスクールも出てきました。

 

モンテッソーリ教育との共通点は、教師主導ではなく学生が自分の学習に参加できるように設計されているところ。自分で仮説を立て、理論を検証し、データーを分析するというこの一連の流れが、このスタンダードには存在するようです。

 

ただ、NGSSはガイドラインであってカリキュラムではないため、教師が一から教材を作成し、指導計画、課題計画、そして評価など、新たに作り直さなければならないことばかりで、現場の教師の悲鳴をオンライン上でもよく目にします。今まで教師主導で教えてきた科学が、学生主導の実践する科学となった今、教師側においては難しさを感じるのは当然のことかもしれません。また、学生側にとっても質問や疑問に対する明確な回答が得られないもどかしさも感じる時もあるのでしょう。

 

しかし、母が我が家のホームモンテッソーリにこのNGSSを取り入れてみたいと考えた部分はこの「もどかしさ」にありました。モンテッソーリ教育を通じて知った学びの価値とはこの「プロセス」にあるという点。これが、このNGSSでは見事に反映されており、手っ取り早い暗記を脱却した、科学的思考を構築し、深く掘り下げていく探求型学習が、何よりもこのアプローチの魅力に感じたからです。

 

とは言っても、家庭でこれを実践しようとすれば、全くの素人の母にはハードルが高いのも当たり前。NGSSのWebsiteを噛み砕いてくれているPaul Anderson氏のWebsiteやリソースにお世話になりっぱなしです。

 

「直接的な指導と探求的な学習は学生にとってどちらが有益か。」

 

そんなディスカッションが日々繰り広げられる中、年々NGSSを採用する州が増えていくのを見ると、やはりこのガイドラインの真価が今浮き彫りになってきたのかもしれません。

 

400ページ以上あるこの概要を理解するにはまだまだ時間がかかりそうですが、単純に読み物としても楽しんでいます。(PDFバージョンはこちらから無料でダウンロードできます。)

 

A Framework for K-12 Science Education: Practices, Crosscutting Concepts, and Core Ideas

 

我が家のホームモンテッソーリとNGSSの融合はまだまだ始まったばかりですが、科学者に憧れる娘にとって心地の良い時間となっているようです。

 

◆参考文献

NEXT GENERATION SCIENCE STANDARDS

 

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