今年の夏から本格的に導入を始めた我が家の算数教育。
家庭ではまだ数の紹介(10までの数量・数詞・数字の三者関係の一致)を繰り返しています。
子どもの家で提示を受けたものもあり、順番も本来の算数教育系統図と前後してしまっているものもありますが、今までは家庭で行なってきたおしごとはこちら。
数字のスタンプ
数字なぞりのおしごと
算数棒の紹介
砂文字板
算数棒と数字カード
数字と玉(奇数・偶数)
どんぐりで数遊び
色ビーズ並べ
今回は本来であれば「算数棒と数字カード」と「数字と玉(奇数・偶数)」の間に位置される錘形棒のおしごとを行いました。
これは子どもの家でも何度か繰り返しているおしごと。何が彼女を惹きつけるのだろう・・・と、観察していると、やりたい理由は本来のおしごとの目的と別のところにありました(笑)。
Montessori Spindle Box With 45 Spindles
この錘形棒のおしごと。木箱に0から9までの数字が書かれていて、その数字の分だけ、棒を数え入れるという算数教具です。初めてこの教具と出合ったときは、その単純さに、すでに算数棒で数に親しんでいる子どもに、果たしてこの教具の意味は・・・?と疑問でした。
けれども、この教具と向き合えば向き合うほど、母が虜に(笑)。まずは、数字の数だけ順番に棒を入れていきます。
「2からは、バラバラになっちゃうから、わごむでとめるんだよ~」と嬉しそうに、輪ゴムを手にする娘。実は、彼女のやりたいポイントは、この「束ねる」という動作(笑)。
実はこの「輪ゴム」・・・。この提示のすごく大切な要素を含んでいます。
前回までの算数棒では、3という数字は「1が3つ集まって3」ではなく、すでに棒が初めから3としての塊の量、連続量でした。
(画像はNienhuis Montessoriよりお借りしています。)
それが、今回のこの錘形棒は一本ずつがばらばらの分離量。でも、輪ゴムで束ねることによって、分離量から連続量へと変身を遂げてしまうという素晴らしさ!(笑)
そして、手をよく広げて、棒の束をしっかり束ねる。数が大きくなっていけばいくほど、手に取る棒の量も増え、数が増えたことを触覚で感じ取っているようです。
そしてこの量物としての錘形棒の魅力的な部分、その2(笑)。真ん中部分が太くなっている形状のため、下を握ると、上が開くんですね。こうすると、塊の中でも、数えることで数字と対応することができるという、モンテッソーリの緻密な計算に感動^^
娘にとってのマストアイテム、輪ゴムが気になるようで、きちんと残りの数と輪ゴムが対応しているか確認中(笑)。
数が多くなるにつれ、両手いっぱいに棒が広がり、輪ゴムをかけるのも一苦労^^;何度も試みて、最後にできた時の喜びは、満足そうな表情が物語っています(笑)。
さぁ、9まで無事に数を入れ終わり、「あれ、ゼロは?」と聞くと、「ないよ。だって、ゼロはなにもないっていみだから。」と空っぽの木箱を触って見せる娘。実は、この「何もないゼロ」の意味を伝えることが、この錘形棒の提示の一番の目的。子どもは一つ空っぽの箱を視覚で確認するとともに、触りながら触角でも確認するんですね。
さぁ、最後はお片付け。我が家は棒を入れる専用の箱がないため、ありあわせのもので代用。けれども、娘は1本1本几帳面にしまっていきます。「そこまでキレイにしまわなくてもいいよ。」と子どもの家でも声をかけられたのだとか^^;
でも、やっぱり子どもの秩序感ってあるんですね。時間をかけながら、1本1本丁寧にしまいました。自分のオモチャもこれくらいきちんと片付けができるといいのですが(笑)。
自分の小学校時代の算数セットに入っていた「おはじき」を「1つ、2つ」と数えたとき、なぜ「赤い最初のおはじきは1つで、青い次のおはじきは2つなんだろう」と疑問に感じたことがあります。見た目はどちらも1つ。こうした分離量の数え方では、子どもが混乱を招くと考えたモンテッソーリは、まずは塊である連続量の算数棒で数を伝え、そして今回、連続量が身についた子どもに、錘形棒という分離量で数を伝えた・・・。でも、いきなり分離するのではなく、輪ゴムで束ねることによって、ゆっくりと移行していく・・・。そんな"small step"の一つ一つに、母は感動を覚えずにはいられませんでした^^
どこか幼児期の子どもに算数と言うと、早期教育的な匂いがしますが、このように子どもの成長に合わせ、一つ一つ必要なことを無理のない方法で取り入れていく、モンテッソーリ教育の優しさを感じた教具でもありました。
モンテッソーリの着眼点には、いつも驚かされっぱなしの母。もっと驚きたいです(笑)。
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