8月6日
珈琲を飲みに行こうと思っているところへ、お客さんが入ってくると、「これから珈琲を飲みに行くので、帰ってください」とはなかなか言いづらいです。そこで「俺は暇人だけど、忙しい暇人なんだよ」と言ってみたものの、言っている本人も何を言ってるのかよくわからない。
ということで、仕方がないのでこの3人も誘って明楽時運さんに珈琲飲みにやって来ました。
店に戻り、夕方には仕事帰りの長谷川さんがTシャツを買いに来てくれました。長谷川さんはいつも遅い時間に来る上にぐだぐだするので、僕はいらいらするんですが、今日は早い時間に来てくれたので穏やかに接する事が出来ました。それでも散歩の時間となったので「そろそろ帰って下さい」と言ったら、丁度その時、店の前に岐阜ナンバーの車がとまりました。それを見て長谷川さんは「接客、頑張って下さい」と僕に嫌味を言って帰っていきました。ここでまた予定がくるいそうになりましたが、その岐阜からのお客さんは2時間以上滞在してTシャツを3枚買ってくれました。
その後、おそくなりましたが、予定通り深夜の徘徊に出かけました。
実は本日、僕は文無しだったので、ブーツのヒール交換代と4人分の珈琲代をレジからネコババしてたんですが、長谷川さんと岐阜からのお客さんのお陰で、見事、復元されました。これは予定外でした。
感謝、ありがとうございました。
商品案内
チャンピオンランタグの付く、Tシャツです。
バランスの良い染み込みプリントです。
size M 18000円+tax
8月1日
店先の椅子に座ってタバコをふかしてますと、目の前でスーパーカブが停まり、ワイシャツ姿の男性が荷台のボックスから大きな黒カバンを取り出して店に入ろうとしたので、僕は何かの勧誘かと思って「何か御用?」と声をかけますと、男性は少し驚いたように「いや、普通に店を見せてもらおうと思って」と仰いました。これがこの男性との初めての出会いと思いきや、話をすると、それまでにも既に何回もお越しいただいていたそうです。懇意になったのはその時からです。
この灼熱の中、お得意先廻りの合間に我が店に現れた信用金庫勤めのその彼の姿を見ると、「ご苦労様です」と、コーヒーと椅子を咄嗟にすすめたくなります。
ありがたい事にヒマな店というのは作業も少ないので、のんびりと、時に瞑想に耽りながらも、冷房の効いた場所で店番する僕に出来ることといえばそんなことです。
夜になるとやらないといけない作業があっても、目的もないのに、ほぼ毎日、足が勝手に巷に向かいます。昼間に比べると断然涼しくはなりますが、それでも2時間も歩くと吸えるだけの汗を吸った帽子から顔に汗がだらだら流れ出します。そうすると、その頃が丁度マラソンで言うランナーズハイの状態なのかと思います。これを味わえるのは夏ならではです。
目的がないので急ぎようもなく、歩くというより、延々とさまようといった感じですが、これは、もはや足首を切り取られても狂ったように踊り続けるカーレンの赤い靴と一緒だなと思う。
酒も飲まないのに町の灯りが恋しい。缶コーヒーを買ってベンチにへたり込む、至福の時。
商品案内
50年代のボーイスカウトのTシャツです。
プリントは染み込んでます。
取り敢えずハンガーにかけて散歩に出たので価格は明日考えます。
7月29日
月光町月光小路1丁目1番
古い平屋が建ち並ぶ、屋根が低いので月がよく見えるところから命名された町です。
が、実は春日井には、そんな町名も住所もないんですよ。
あるけどない、ないけどある、夢現の町です。
子供の頃、よくわからないんだけど彼岸花を採ると不吉なことが起こりそうで怖かったメモリーがあります。
別名、曼珠沙華、何だか仏教用語のようにも聞こえます。時には死人花(しびとばな)などと呼ばれることもあります。きれいな花には棘があるというのは薔薇に喩えた諺ですが、そんな薔薇よりも、格段に不気味で蠱惑的、風と共に名もなき路地裏に現れます。
誰だろ?夜空にエンジン付き模型ヒコーキを飛ばしているのは?誰だい、誰なんだい、君は?
ここは懐かしい月光町。駅前のおしるこ屋はつぶれてスーパーマーケットが立ちました。コロッケ屋だったところには大きなマンションが立ちまして、何もかも変わったけど、変わらないのは、あの夜空に旋回する君の飛ばすヒコーキの音。
月光町の君のことを思い出していたところさ。昨日も夢に見ました。君と走った月光町の月光小路。もうお互いに大人になったのだから、おセンチになってはいけませんて、君は言ったね。でもこうしてこの町を思い出し、又、帰って来てしまったよ。町並みがすっかり変わったこの町に。空き地もなくなってしまったこの町に。
でも、どうしてか?君の飛ばすエンジン付きヒコーキの音が聞こえるのはどうしてだろ。僕の耳がおかしいのだろか?
風の又三郎は実は女だったという説があります。
又三郎といえば硝子のマント、しかし、それに女の憑きものである血を垂らすと赤いマントに見えてくる。
風が吹くと、いつかの町に現れる。
思い出の膝枕にさえも。
「あなたは、……もしかしたら、風の又三郎さんじゃありませんか?」
「君は、だあれ?」
商品案内
50s ボーリングシャツ
色は赤くて派手なんですが、ディテールができるだけ地味なものを選びました。
レーヨン製の50年代でつくりは大変良いです。
襟は袋縫いです。
フラップ付きのポケット
ボタンは樹脂です。
ダブルのステッチは白糸が使われています。
背中は、少しおとなしめのチェーンステッチです。
size M 14800円+tax
7月26日
ウチの店は怖くて入りにくいとよく言われます。
確かに、ウチの店に限らず個人店は入ったは良いけど欲しいものがなかった時、何も買わずしては出にくいものかもしれません。それは、入りにくいのではなく、出にくいということです。
すると怖いとは一体何か?
ただ古着を並べて売っているだけなのに一体何が怖いのかわからない。
先日もハタチの常連さんが、「この店は最初は怖くて入りにくかったけど、僕はそういう店が好きだ」と言っていました。
しかし、待てよ、確かに、君の言わんとする事は分かるような気がする。
こんなおねいさんが出入りするのだから君の言う通りかもしれん。
どこか懐かしい月光町
この後で漠然としていたイメージがはっきりしてきました。
それを伝えようとしましたがやめました。
立ち姿は又三郎、地べたに座り込んだ姿は彼岸花に見えてきた。
商品案内
60sアロハ
素材のレーヨン、プリントのクオリティは50年代のものと比べると少々落ちますが、比較的安価で丈夫ですからガンガン着ていただけます。
タグ
襟は芯とステッチが入ります。
60年代のディテールです。
シンプルなワンポケ
ステッチはダブルで丈夫なつくりです。
夏らしい涼しげな色合いです。
size M 15800円+tax


































