コロナ禍で生乳の余剰廃棄分が増加したことを受けて
農林水産省がこの3月から酪農業者に対し。
乳牛を食肉処理にして生乳の生産量を減らせば
1頭当たり15万円の補助金を支給する
という非情とも言える政策の導入に踏み切りました。
そもそも生乳が余ってるのはコロナで需要が激減したのだけが原因ではなく。
1993年にWTOで締結されたGATTウルグアイラウンド農業合意により。
日本が毎年13万7000トンの生乳を輸入しなければいけない
という背景があるからで。
コロナ以前から生乳の余剰在庫を処理するために
国を挙げての生乳推奨政策で学校給食にはなぜかご飯にも牛乳。
などというミスマッチを堂々とゴリ押してきたわけです。
そこにきて今回のコロナ騒動で生乳処理のエースであった学校が
ことごとく休校になったために在庫がパンク状態になり。
やむを得ず国は生乳の減産要請や廃棄処分を北海道を中心とした
この国の酪農業に押し付けたわけですが。
今度はよりによって
そもそも牛を殺してしまえば生産量は減るのだから
補助金を餌にして形式的に数字を整えてしまえ
みたいな行き当たりばったり的な政策は愚の骨頂だと思います。
そもそも遡ればウルグアイラウンド交渉で対外的な数字の駆け引きばかりに気を取られて
この国の農業生産体制の抜本的な基盤を作ることを怠ったことが。
少しずつ皺を寄せて
コロナでついに崩壊した
ということなのでしょう。
根本的に日本の農業を持続可能なものにするためには
思い切ってウルグアイラウンド農業合意を修正し。
この国の農業生産者を根元からバックアップするシステムに変えていくより他ないと思います。
と言うか国の中枢に愚かな人材の在庫が余剰になってるのだから
補助金を使って処分すれば済む話なのかも