殺処分する前に飼育方法の改善を | 注文の多い蕎麦店

注文の多い蕎麦店

人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。


去年の9月に岐阜県で発生した豚コレラ。
養豚場や畜産研究所などで飼育されていた8000頭あまりの豚を殺処分することで
事態は沈静化するかと思われてましたが・・・

先日愛知県の豊田市の養豚場で豚コレラの発生が確認され
この養豚場が子豚を出荷していた長野や滋賀、大阪などにも感染が拡大。
結果的に1万5000頭以上の豚が殺処分されるという状況になってしまいました。

豚だけでなくて鳥インフルエンザなんかもそうなんですけど。
毎年のように畜産業で繰り返されるウイルス感染→殺処分という流れ作業を目の当たりにして思うのは。
消毒や菌の侵入を防ぐなどの物理的な感染予防よりも
飼育方法を改善して畜産動物のウイルスに対する免疫力を上げてやる方がいいんじゃないか?ということ。

実際問題として最初に豚コレラが発生した農場は約600㎡の敷地に600頭以上の豚を詰め込んで
飼育していたことが判明しており。
感染が拡大した岐阜県内の施設総面積約8500㎡に対しておよそ7500頭の豚が殺処分されたということは
どの施設でも豚1頭あたり1㎡ほどのスペースしか与えられていなかったということであり。
出荷前で体長1mほどになる豚が1㎡の空間でしか生涯を送れないというのは
自分の生活に置き換えて考えてみてもとてもまともな飼育方法とは思えません。

EUや世界各国では廃止傾向にある妊娠ストールでの拘束飼育も常態化していたのでしょう。

もちろん原価を抑制するためには飼料は安価な遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシに頼らざるを得ず。
日本では認可されていないものの中国で猛威をふるっているアフリカ豚コレラなんかは
成長ホルモン剤の投与により豚の免疫力が著しく低下していることも原因の一つとして考えられます。

人間が手軽に食べられる目的のためだけにウイルスに対する免疫力を低下させられた畜産がいざウイルスに感染した途端。
被害が拡大してはいけない。ウイルスが進化して人間への感染力を身につけたら危険だ。と。
豚コレラ対策として検疫やワクチンを。それでもダメなら薬殺や電殺処分でリセット。
というのはあまりにも惨い話だと思います。

これは毎年インフルエンザで右往左往する人間と同じで
ウイルスに感染することを避けるのではなくウイルスを撃退する免疫力を取り戻すことが全ての問題解決の糸口であり
人間がこの地球上で畜産やウイルスと共存する唯一の方法なんじゃないかと僕は考えています。
僕たち消費者にできることは安直に安いからだけの理由で食品を選ぶのではなく
地球上のすべての生命が共存して循環できるような倫理観をもって今日食べるべきものを選択していきたいですね。
そうすれば自ずと畜産業のスタイルも改善されていくのだと思いますよ。
未来の地球で人間が殺処分されないためにねガーン