京都史上最強の怨霊を鎮める祭 | 注文の多い蕎麦店

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毎年秋分の日前後に白峯神宮で秋季例大祭が執り行われます。
白峯神宮と言えば蹴鞠発祥の地として知られスポーツや武運の神様として有名なのですが。
こちらの御祭神は第75代の天皇である崇徳院。
伊勢神宮や平安神宮、明治神宮など天皇を御祭神とする神社は全国で24社存在するのですが
これらの社の中でも崇徳院を祀る白峯神宮が稀有な存在たる由縁は神社創建の由来が
「怨霊を鎮めるため」だからです。

崇徳院と言えば皇室の権力争いから策謀により藤原氏に担がれた実の弟である後白河天皇に天皇の座を奪われ(保元の乱)
讃岐の地に配流。
朝廷に対し遠い西の地から身の潔白を訴え続けるも朝廷復帰の望みは叶えられず
二度と京都の地を踏まぬまま配流地である讃岐で非業の生涯を終えることになります。

その後この策謀に関わった藤原氏や後白河天皇に近い要人に原因不明の変死が相次ぎ
大火事や士族の反乱なども重なりこれらの動乱の原因は全て崇徳院の呪いなのでは?
と追い詰められた後白河院は崇徳院の罪を解き保元の乱戦場跡に廟を設置(後に平野神社に統合)して
崇徳院の祟りを鎮めることになります。

その後も崇徳院は怨霊伝説として京の都に受け継がれずっと降った明治維新政府樹立時に
急死した孝明天皇の意思を受け継いだ明治天皇が讃岐の地より崇徳院の御霊を京都に移し御祭神として創建されたのがこの白峯神宮です。
そして毎年崇徳院の命日に近い秋分の日に秋季例大祭として崇徳院祭を催し
夜には院の御霊を鎮魂する目的で薪能が奉納されるということなんですね。
 

 

そんな意味深で怪しげな由縁を含んだ上京薪能ですが残念ながら全面的に撮影は禁止。
一部二部合わせると5時間近くになる演舞奉納ですがさすがに一部から観賞するととても最後まで持ちません(^ ^;)
崇徳院さんに呪い殺される覚悟で途中退席しましたとさ(今のところぴんぴんです!)