リアルおままごと。

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突然ですが「リアルおままごと」という遊びをご存知でしょうか。

リアルおままごとは、アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場するネネちゃんが考案したもので、キャラクター設定が事細かに為されているリアルなおままごととなっています。

もちろん、ネネちゃん以外のメンバー(しんのすけ、風間くん、マサオくん、ボーちゃん)からすると迷惑極まりない遊びなのですが、当のネネちゃんはそんなことはどこ吹く風です。

びっしりと書き込んだ台本をメンバーに渡してストーリーを叩き込み、おままごと中はまるで自分が王族にでもなったかのような偉ぶり方をしてしまいます。

それを見て、いち視聴者でありながらも彼女の行く末がちょっと心配になってしまうのは、決して私だけではないはずです。

 

大抵の場合、リアルおままごとではマサオくんが夫役に指名されます。

ネネちゃんが堂々と〝女房役〟を演じる為には、気の弱いマサオくんが夫役に適任だと考えたんでしょうね。

その結果、マサオくん演じる安月給の夫が、ネネちゃん演じる〝女房〟から散々に罵倒され、毎回最後には必ず離婚する結果となってしまいます。

無理やり参加させられた挙句に毎回離婚を突き付けられるなんて、マサオくんからすれば理不尽にも程がある展開ですが、ネネちゃんの威厳とプライドを保つ為には致し方ないのでしょう。

以前、マサオくん不在の際にしんのすけが夫役を務めたことがありましたが、演じている時はノリノリでやっていたしんのすけも、ネネちゃんが帰った後は清々した表情を浮かべていました。

あのしんのすけでさえも鬱陶しがる程ですから、リアルおままごとがどれほど面倒で苦痛なものかは想像に難くないでしょう。

 

個人的には、人生で一度はリアルおままごとを経験すべきだと思っています。

そうやって決められた設定の中を生きることによって、結婚生活の大変さや家庭での息苦しさをほんの少しでも学べるからです。

そもそも、家族なんて血が繋がっていようとも結局は他人ですから、心の奥底まで分かり合えるなどあろうはずがありません。

それなのに皆「家族だから」と一から百まで分かり合おうとするが故に、無用なトラブルに発展しているように思えてならないのです。

結局、私たちは「夫」や「妻」「お父さん」や「お母さん」と言った役割を家庭の中で演じているに過ぎず、その意味では、結婚生活とは究極の〝リアルおままごと〟なのだと私は思います。

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