裏庭をちょっと整備したいと思い、その手始めに草を抜くことにした。
雑草と言われる草たちは好きなので、できればそのままにしておいてやりたいのだけれど。
雑草の絵本で知られる甲斐信枝さんのように、雑草の中に座って心ゆくまで花や実や虫たちを楽しむことができればいいのに、と思う。
甲斐信枝さんの絵本。
福音館書店
こどもたちに毎月とっていた「こどものとも」の一冊。「こどものとも」「かがくのとも」は、どれもいい絵本ばかりだった。
草を抜いていると、ヒッヒッヒッ、とジョウビタキのような鳴き声。地面を鳥の影が横切って行く。
イソヒヨドリだ。
いつもは美しくさえずる鳥だけれど、このジョウビタキのような声と、グェッグェッというカエルのような声も出す。これは、警戒しているときの鳴き声なのかもしれない。
警戒されているのは、私なんだろう。
警戒しているわりには、近くまで来て様子を見ている。オスとメス、つがいで代わるがわるやってくる。
イソヒヨドリは近年街中で増えているという。去年の今頃も、この庭で警戒鳴きをしていた。近くに巣を作っているのだろう。
イソヒヨドリのメス。
何かくわえている。虫だろうか。(肉食らしいし)
だんだん警戒心がゆるんできたのか、かなり近くまでやって来た(どうせ捕まりゃしないさ、とたかをくくっているのかもしれない)。警戒鳴きだけでなく、時々きれいにさえずったりもする。慣れてもらえるのは嬉しい。
イソヒヨドリのオス。
オスは、青い胸とレンガ色の腹、そして黒い羽根が美しい。「幸せの青い鳥」とも言われることがあるらしい。(本人(本鳥)はあずかり知らぬことだろう)
同じオス。家のひさしにとまっている。
イソヒヨドリは5月初めに卵を産むらしい。どこに巣があるのかわからないけれど、無事に子育てができるといい。
草を抜いているとミミズが何匹も見つかる。今日も立派なミミズがいた。
草抜きを終えて、窓ガラスごしに庭を見ると、イソヒヨドリのメスが、束ねた紐のようにミミズを咥えて飛んで行くところだった。