#好きな映画は | 東四ヶ一の庄

東四ヶ一の庄

実家を離れて40数年。もう帰ることはないだろうと
思っていたこのまちに戻ってきました。
「東四ヶ一の庄」とは、私の愛読書『ホビットの冒険』
『指輪物語』の主人公の家があるところです。

好きな映画はたくさんある。

 

ベスト3は

「ライフ・イズ・ビューティフル」

「グッドモーニング ベトナム」

そして

「いまを生きる」

原作となった小説の翻訳版(新潮文庫)の表紙。訳があの(スティーブン・キングの)白石朗さんだったことを知った。

 

小説より映画の方がずっとずっとよかった。

この映画で「Carpe Diem(カーペ ディエム:今を生きよ)」というラテン語を知り、好きな言葉のひとつになった。ロビン・ウィリアムズが演じた国語教師は、生徒たちに「今を生きよ」と伝えたのだ。

 

ずいぶん前、上野の国立西洋美術館でルネサンス絵画展があって観に行った。ルネサンス期の芸術家の庇護者でもあったメディチ家のコーナーの壁に、この「Carpe Diem」が大きく書いてあった。

 

中学生のころ、ルネサンス絵画が好きでいろいろ関連の本を読んだ。その中に、メディチ家の当主フィリッポ・イル・マニフィコの墓に刻んだ言葉(だったと思うけれど、すでにその本はなく定かではない)が載っていた。この言葉はまだ覚えている。

 

   青春はげにも麗し 

   されど そはたまゆらに去りゆく

   なべて歓楽を求むる者よ

   楽しみてあれ 明日という日の定かならねば

 

なので、メディチ家の「Carpe diem」はすっと腑に落ちたのだ。

これは、決して刹那的に生きよということではないと思っている。まだどうなるか決まっていない未来を気にかけて、今をだいなしにしてはもったいないよ、ということだと思う。

 

子どもが学校へ行かずに過ごした数年間、私はしばしば「Carpe Diem」を思った。

 

映画の最後に、優秀な兄と比較されて劣等感を持つ内気な生徒トッド(若い若いイーサン・ホーク)が、机の上に立ち上がるシーンが胸を打つ。彼に続いて机に立つ生徒たち。わけがわからず、おろおろしながら何もできない校長。かつて、キーティング先生(ロビン・ウィリアムズ)は別の視点を持つことの大切さを教えるために、机の上に立ったことがあった。

 

そして、微笑んでキーティング先生が言う最後の言葉。

「Thank you,boys. Thank you.」

 
ロビン・ウィリアムズという俳優がとても好きだった。
「グッドモーニング ベトナム」も彼が主演している。日本に来てニュースステーションに出たことがあったけれど、終始面白く、骨の髄からのコメディアンだったと思う。
だから、自死のニュースを聞いたときは本当に驚いた。もう彼の映画を見ることはできない。
 
Thank you,Robin. Thank you.