プラムフィールド | 東四ヶ一の庄

東四ヶ一の庄

実家を離れて40数年。もう帰ることはないだろうと
思っていたこのまちに戻ってきました。
「東四ヶ一の庄」とは、私の愛読書『ホビットの冒険』
『指輪物語』の主人公の家があるところです。

子どものころ『若草物語』が好きだった。

 

最初に読んだのは「少年少女世界の名作」全集の中の一冊で(その中にバンの卵を食べるペリーヌの物語『家なき娘』もあった)『若草物語』『続若草物語』の2話分が一冊になっていたから、子ども向けの抄訳だったのだと思う。

挿絵が妙にリアルで、後に映画「若草物語」(1949年公開)の場面を絵にしていたらしいとわかった。(エリザベス・テイラーがエイミーをやっていた)

 

中学生になって『若草物語』を全4冊、抄訳でない本で読んだ。

このころ、私の周囲では少女向けの小説といえば一番人気は『赤毛のアン』で、アンやギルバートやプリンスエドワード島に憧れる友人たちが多く『若草物語』派はあまりいなかった。

 

『第三若草物語』には、「プラムフィールドの子どもたち」という副題がついていた。

プラムフィールドというのは、最初の『若草物語』の中で、いろいろ意地悪なことを言っていたマーチ伯母が遺産としてジョーに残してくれた広い敷地に建つ屋敷で、ジョーと夫はそこを学校にしたのだ。生徒は少人数で、いろいろな子どもたちのニーズに合わせられる学校だった。

(このあたりの話が「ナンとジョー先生」というアニメになっていたけれど、見たことはない。原作とはだいぶ違うらしい)

 

生徒のほとんどは男の子だけれど、そこに「ノーティ・ナン(おてんばナン)」や、メグやエイミーの娘たちも加わって(なんとなく道徳的かつ教訓めいてはいるけれど)面白い物語になっていた。

 

先日街で見つけた「近代的小学校」の碑のことを考えていた。

兵学校付属小学校が始まりだったことを思った。運動会の行進の足が揃うまで練習させられたこと、昼休みや掃除の時間まで、食べられない給食を前にすわっていたことを思った。(私には嫌いな食べ物がたくさんあった)

 

最近、ある不登校の少女のことを知った。彼女は、不登校の自分を「出来損ない」だと思い、辛い気持を抱えている。

 

キリスト教が根底にあり、お酒を飲むことさえも堕落の始まり(私は時々堕落したい)と考えるジョーの方針にはついていけない部分もたくさんあるけれど、プラムフィールドは基本的に子どものための学校だと思った。

 

先日見かけたシロバナタンポポ。

ほぼ全てのタンポポが黄色い花なので、白は少数派だ。

少数派は、数が少ないだけで間違っているわけではない。