三度目の正直 | 東四ヶ一の庄

東四ヶ一の庄

実家を離れて40数年。もう帰ることはないだろうと
思っていたこのまちに戻ってきました。
「東四ヶ一の庄」とは、私の愛読書『ホビットの冒険』
『指輪物語』の主人公の家があるところです。

水門の展望台に昇ろうと試みること三回目にして、本日やっと行くことができた。

今日もよく晴れ、昨日より風もなく、高いところに昇るにはよい日和だった。

 

さて、なぞの鳥は今日もいた。

今日も、思わせぶりに左の塔の非常階段付近にとまって見せたりなどして、どこかへ行った。

展望台に上がってまず港の内海側を見ると、眼下の魚市場食堂の屋根に筒のようなものがたくさん立っている。通気孔か何かだろうかと思いながら双眼鏡で見ると、それは全てアオサギだった。アオサギたちが、なんとなくくつろいだ様子で日向に立っている。(この時点で、なぞの鳥=アオサギ疑惑がかなり濃くなっている)

 

しかし、なぞの鳥はアオサギよりずっと白く見えたのだ。

 

遊覧船乗り場から船が出てきた。船のあとを、紙吹雪のようにカモメの群が追っていく。

 

遊覧船の乗客が、カモメたちに餌をやるかららしい。(噂によれば、船内でカモメに与える用のスナック菓子を売っているとか。塩水に浮かんで暮らしていれば、塩味のスナックでも大丈夫なのだろうか)

 

通路から海側を見ると、突堤に造られた倉庫(?)の屋根に、トンビが何羽もとまっていた。とまっているときのトンビの後ろ姿は、茶色くてずんぐりしていて丸い頭で、猫のように見える。

そのトンビたちの間に一羽、ほっそりと長い姿。

 

なぞの鳥だった。

 

双眼鏡でじっくり観察してみた。(ちょっとうしろ向いて、と念を送ったけれどかなわなかった)遠いのが残念。私のカメラでは写真に撮ってもあまり役に立たない。

 

で、結局アオサギだということがわかった。アオサギも腹側はかなり白いのだと思った。

まあ、コウノトリが本当にいるとは思っていなかったけれど、私の方がとんだアホ詐欺だった。

 

しかし、反対側の市場食堂の屋根にはたくさんアオサギ仲間がいるのに、なぜ好き好んでトンビと一緒にいるのだろう。前に、ジョウビタキとハクセキレイがガン(雁ではなく)飛ばしあって喧嘩するのを見たことがあるけれど、トンビとアオサギは別にお互いを気にもしていないようだ。

ひとりが好きだとか、同種族とは馬が(鳥だけど)合わないとか、そういう鳥もいるのかもしれない。

 

やがて、なぞの鳥改めアオサギは翼を広げ、狩野川河口に向かって飛んでいった。

 

高さ30mの展望台からは、飛ぶトンビを見下ろすこともできた。

 

海に突き出た突堤の先っぽで、男の人が三人釣りをしていた。見ると、突堤の手前に「立ち入り禁止」の立て札があった。(立って入らず、這って行ったのかもしれない)

 

駿河湾の向こうに見えるのは富士市だろうか。煙突は製紙工場か。

そして、そのずっと向こうに南アルプス。

富士山は、今日は吐息をついていなかった。