大水門となぞの鳥 | 東四ヶ一の庄

東四ヶ一の庄

実家を離れて40数年。もう帰ることはないだろうと
思っていたこのまちに戻ってきました。
「東四ヶ一の庄」とは、私の愛読書『ホビットの冒険』
『指輪物語』の主人公の家があるところです。

港に大きな水門があって、上の展望デッキから海も山も見渡すことができる。

 

2年前に一度そこへ行こうとしたら、その日は14:00で閉館する日で、もう入れなかった。

今日、とてもよく晴れたので、リベンジしようと行ってみた。ネットで調べ、開館時間は10:00〜20:00「ただいま営業中」を確認して出かけた。

 

ところが受付へのドアが開かない。ドアの脇を見ると

 

2月27日 メンテナンスのため臨時休館

 

なんじゃあ、こりゃああ。

思わず松田優作になってしまった。今度こそと思って来たのに。

 

仕方なく、松原越しの富士山を見ていたら大きな鳥がゆったりと飛んできて松の木のてっぺんにとまった。白っぽい体で翼の先が黒い。一見すると鶴のようだ。でも鶴ではない。

 

ええええ。まさか、コウノトリ?

いやしかし、特別天然記念物のコウノトリさんがこんなところ(失礼な)にいるだろうか。

鳥は、またふわりと舞い上がり、カメラで追う暇もなく水門の向こうに消えた。

 

冷静に考えれば、アオサギかも、とも思う。でも、アオサギなら前に住んでいた家の近くの緑地でよく見かけたけれど、もっとブルーグレイだった気がする。

 

今日のタイトルは、大好きなイギリスの児童文学『ツバメ号とアマゾン号』のシリーズ最終話、『シロクマ号となぞの鳥』から借りてみた。(わかってもらえないだろうということはわかっている)

アーサー・ランサム作『シロクマ号となぞの鳥』。これに登場する「教授」ディック少年がとてもいい。

なぞの鳥は、この水門の左の塔の上をまわって見えなくなった。

 

17年ほど前だけれど、茨城県の海辺でオオグンカンドリを見たことがある。

はじめは誰かが鳥の形の凧をあげているのだと思った。ずいぶん高くあげているなと思ってよく見たら糸がなかった。その高さを飛んでいても、大きい鳥だということはわかった。羽ばたかず、円を描いていた。尾はツバメのように二つに分かれて長く伸びていた。

あのときも、まさかと思った。調べてみて、日本には生息していないけれど本州太平洋岸では迷鳥として見られることもあると知った。

 

あのオオグンカンドリはどうしただろう。茨城弁のカモメに囲まれて寂しい思いをしただろうか。

 

買い物をして帰った。スーパーの屋上駐車場から、きれいに富士山が見えた。

山頂の上にある小さな雲が、富士山の吐息のように見えた。