冷たい雨と暖かな日差しの日が交互にきて、春が近づいているのだと思う。ただ、昔はこういう天気は3月のものだったんじゃないか、とも思う。
市役所前の歩道橋の下に、桜が咲いていた。
そこの花壇を手入れしていた二人のおじさまに「これはなんていう桜ですか」と聞いてみた。
住まいがちょっと西よりになったせいか、トシのせいかはわからないけれど、私から話しかけてみた。
「河津桜ですよ」
とのこと。
ブログのトップに使っている河津桜とヒヨドリの写真は、1月16日に撮ったもの。河津桜というのは咲く時期にけっこう幅があるらしい。
狩野川の堤防から、私が昔通っていた小学校の写真を撮った。
私が通っていたころは、二階建ての木造校舎だった。半世紀以上昔のことだ。
木造校舎は上から見ると(誰が見たのか)「7」の形をしているそうで、だから七不思議があるんだ、と上級生に言われた。
「7」の横棒にあたるところに、やんごとなき方が歩いたので「御幸廊下」と名付けられた廊下があった。そのお方だって、転送装置でいきなり(Beam me up,Scotty!)この廊下に出現して、ここだけ歩いたわけではなく、玄関や他の廊下を通って来たのだと思うけれど。
七不思議のひとつは、ここには夜になるとオバケが出るというものだった。(不謹慎)
木の校舎の階段は幅が広く、手すりも、手すりの端についていた丸い木の球も、びろうどのようにすべすべで、暖かい手触りがした。
私が高学年になるころから、徐々に新校舎ができはじめた。
堤防沿いにはソメイヨシノが植わっている。こちらはまだ花の気配はないけれど、ソメイヨシノは、そろそろ入学式の花から卒業式の花になりつつあるようだ。
堤防から川の方を見たら、猫がいた。
首輪をしているから飼い猫なのだろう。なかなかすてきな黒トラ猫。
そして、川面を黒っぽい小鳥が飛び交っていた。飛び方はほとんどツバメ。翼の形もツバメのようなブーメランに似た形で、けれど尾が燕尾ではない。腰のあたりに白い色が見える。
素早く翻って飛び、ちっともじっとしていない。どこかにとまることもしない。
闇雲になんとか写真を撮った。(小さいけれど)
調べてみると、どうもイワツバメのようだ。
ツバメって、2月(下旬だけれども)に来るんだっけ、とまたちょっとびっくりした。
ツバメで空を見上げているうちに猫はいなくなっていた。
小学校の近くの橋を渡ると市立図書館がある。今でも歩ける距離だけれど、昔は私の家にもっと近く、せっせと通っていたので司書さんと仲良くなった。小学校4年のときから図書館の読書会に参加するようになり、中学生からはイベントのお手伝いなどもさせてもらった。
あの図書館がなかったら、私は今みたいな大人にはなっていなかったかもしれない。(その良し悪しはさておくとして)
少し毎日にゆとりができたら、ここで貸し出しカードを作ってもらおう。
一番上についている半円の部分は、知恵の象徴フクロウの顔なのだと、ずいぶん前に母に聞いた。賢そうというより、びっくりした(呆然とした?)顔に見える。でも、不思議に驚くことが知恵の始まりなのかもしれない。そういえば、これまで住んでいた街には四つの図書館があったけれど、そのひとつのキャラクターがフクロウだった。
フクロウといえば、母はフクロウの小物を集めるのが大好きだった。フクロウは「不苦労」だからと、絵や写真や人形や貯金箱や小物入れや、ありとあらゆるフクロウが飾り棚にいっぱいあった。(実家を片付ける時、このフクロウの処分に苦労した)
河原に降りる日当たりの良いコンクリートで、ハトがくつろいでいた。
単に暖まったコンクリートにとまっているだけではなく、猫が香箱を作る感じで体の下に脚をたたんでいるように見える。ごろんと寝転がっている。
よくドバトと言われるけれど、もとは寺社のお堂に住んでいた「堂鳩」から来ているらしい。