温暖化の春 | 東四ヶ一の庄

東四ヶ一の庄

実家を離れて40数年。もう帰ることはないだろうと
思っていたこのまちに戻ってきました。
「東四ヶ一の庄」とは、私の愛読書『ホビットの冒険』
『指輪物語』の主人公の家があるところです。

冷たい雨と暖かな日差しの日が交互にきて、春が近づいているのだと思う。ただ、昔はこういう天気は3月のものだったんじゃないか、とも思う。

 

市役所前の歩道橋の下に、桜が咲いていた。

そこの花壇を手入れしていた二人のおじさまに「これはなんていう桜ですか」と聞いてみた。

住まいがちょっと西よりになったせいか、トシのせいかはわからないけれど、私から話しかけてみた。

「河津桜ですよ」

とのこと。

 

ブログのトップに使っている河津桜とヒヨドリの写真は、1月16日に撮ったもの。河津桜というのは咲く時期にけっこう幅があるらしい。

 

狩野川の堤防から、私が昔通っていた小学校の写真を撮った。

私が通っていたころは、二階建ての木造校舎だった。半世紀以上昔のことだ。

木造校舎は上から見ると(誰が見たのか)「7」の形をしているそうで、だから七不思議があるんだ、と上級生に言われた。

 

「7」の横棒にあたるところに、やんごとなき方が歩いたので「御幸廊下」と名付けられた廊下があった。そのお方だって、転送装置でいきなり(Beam me up,Scotty!)この廊下に出現して、ここだけ歩いたわけではなく、玄関や他の廊下を通って来たのだと思うけれど。

七不思議のひとつは、ここには夜になるとオバケが出るというものだった。(不謹慎)

 

木の校舎の階段は幅が広く、手すりも、手すりの端についていた丸い木の球も、びろうどのようにすべすべで、暖かい手触りがした。

 

私が高学年になるころから、徐々に新校舎ができはじめた。

 

堤防沿いにはソメイヨシノが植わっている。こちらはまだ花の気配はないけれど、ソメイヨシノは、そろそろ入学式の花から卒業式の花になりつつあるようだ。

 

堤防から川の方を見たら、猫がいた。

首輪をしているから飼い猫なのだろう。なかなかすてきな黒トラ猫。

 

そして、川面を黒っぽい小鳥が飛び交っていた。飛び方はほとんどツバメ。翼の形もツバメのようなブーメランに似た形で、けれど尾が燕尾ではない。腰のあたりに白い色が見える。

素早く翻って飛び、ちっともじっとしていない。どこかにとまることもしない。

 

闇雲になんとか写真を撮った。(小さいけれど)

調べてみると、どうもイワツバメのようだ。

ツバメって、2月(下旬だけれども)に来るんだっけ、とまたちょっとびっくりした。

 

ツバメで空を見上げているうちに猫はいなくなっていた。

 

小学校の近くの橋を渡ると市立図書館がある。今でも歩ける距離だけれど、昔は私の家にもっと近く、せっせと通っていたので司書さんと仲良くなった。小学校4年のときから図書館の読書会に参加するようになり、中学生からはイベントのお手伝いなどもさせてもらった。

 

あの図書館がなかったら、私は今みたいな大人にはなっていなかったかもしれない。(その良し悪しはさておくとして)

少し毎日にゆとりができたら、ここで貸し出しカードを作ってもらおう。

一番上についている半円の部分は、知恵の象徴フクロウの顔なのだと、ずいぶん前に母に聞いた。賢そうというより、びっくりした(呆然とした?)顔に見える。でも、不思議に驚くことが知恵の始まりなのかもしれない。そういえば、これまで住んでいた街には四つの図書館があったけれど、そのひとつのキャラクターがフクロウだった。

 

フクロウといえば、母はフクロウの小物を集めるのが大好きだった。フクロウは「不苦労」だからと、絵や写真や人形や貯金箱や小物入れや、ありとあらゆるフクロウが飾り棚にいっぱいあった。(実家を片付ける時、このフクロウの処分に苦労した)

 

河原に降りる日当たりの良いコンクリートで、ハトがくつろいでいた。

単に暖まったコンクリートにとまっているだけではなく、猫が香箱を作る感じで体の下に脚をたたんでいるように見える。ごろんと寝転がっている。

よくドバトと言われるけれど、もとは寺社のお堂に住んでいた「堂鳩」から来ているらしい。