『JJM女子柔道部物語』は、女子柔道がオリンピックの正式種目となって日本人初の金メダリストとなった 恵本裕子(本編では神楽えも)をモデルとした連載マンガである。 

 

高校総体北海道大会が始まる。初の女子団体戦が開催される。 

開催地帯広に向かうマイクロバスの中で補欠才木和泉は思う。 

<いつもの観光ムードとはちがう…… 

みんな 無口だわ……>(20頁) 

 

第一シード極大高校、第二シードカムイ南高校。 

その他、三度笠高校、旭竜高校、網走東高校等々のお馴染みの高校が勢揃いする。 

 

まず、極大高校の、札幌陽光高校を手もなくひねる、頭抜けた強さが描かれる。 

そして、神楽えもたち、カムイ南高校は手加減しながら三度笠高校 を破る。 

 

その後も、両校とも順調に勝ち進む。 

 

チ。―地球の運動について―』をはじめとして、『日本三國』、『HUNTER×HUNTER』等文字が多く、ともすれば議論が始まってしまうようなマンガばかり読んでいたので、逆に文字があまりない画面が新鮮だと感じるほどだった。 

 

実際に試合場面のダイナミックな描写のようなコマばかりでなく、さりげない描写の中に、微妙な心理を窺わせるようなコマも多い。 

この巻では、 神楽えもたちを見出し、指導してくれた 三度笠高校の九戸先生が、自校の敗戦の後、滲む涙を隠すためにサングラスをする場面が印象的であった。

 

 

次巻で高校生編は完結だそうである。はたして、どんな結果が出るか。