緻密、凄い! 

 

わかったところは、すごく面白い。ただし、わからないところが、ちらほら。もしわからないところがわかったら、たぶん、もっと面白いだろう。 

 

ほとんど四年ぶりの新刊なので、前巻がどんな内容だったのか、たいして記憶に無い。その前もあやしい、ということで、33巻から、改めて読み始めた。33巻もわからないことが頻出したが、きりがないので読み進めた。 

 

面白い、が、とにかく難しい。読み進めるのに結構な時間がかかる。 

なにしろセリフ(文字)が多い。論理的な推論まで並んでいる。適当に読み飛ばしていると 意味不明なところが出てきて、戻ることになったりする。が、時によっては、わかったことにしてしまう。 

 

カキン王国の王子の数が14人。各王子の守護霊獣が14頭。ハンターの十二支んが12人。幻影旅団(クモ)が10人。決して軽い役割ではない、王子の護衛(ハンターや各王子の私設兵)がうじゃうじゃ。暴力団の一家が三つで、特異な構成員が多数。その他、王を始めとする、軽重取り混ぜた多くの人々。とにかく、多すぎて登場人物がどれだけなのかわからない。 

 

現時点で、巨大な船が、舞台であることは間違いないが、問題となる場面の場所は多数あり、そこに無数の登場人物が出入りして、時として同時進行で、なおかつ混乱させずストリーが進行していく。この群像劇がコントロールできるのだから、大した筆力である。 

とはいえ、ゴンとキルアの不在はどういう意味を持つのか、とは思う。 

 

キメラ=アント編の終わりあたりから、作品の形が変わってきて、作者が、書き続けられるか心配していた。事実最近の状態を考えれば、杞憂だとも言えなかった。 

 

この進行の度合いを考えると、完結まで行きつくのかはなはだ不安だが、これまで半ばあきらめていた作品の続きが読めるのだから、とにもかくにも、ありがたい。