実家の遺品整理をしていたら、読みたい本がいくらでも出てくる。その中の一冊。
著者の黒田氏は親子二代にわたり陶磁器を扱っている老舗。こうして本を読んでいると、日本の陶磁器は先代の頃が一番素晴らしい時代だったのではないかと思う。陶芸に興味を持っている人であれば、知っている名前がいくつもでてくる。帯にも書かれているが、もう1つの近代陶芸史を書かれている。前半のような魯山人とのエピソードを読むといかに関わりが深かったかわかる。ただ、やはり陶器屋であるために、かけないことがあるのがちょっと残念。それでも、魯山人との訣別のエピソードなど魯山人の人柄の一片が見せてくれる。
ここ数十年、陶磁器も意識して見るようになったけど、それでも知らない名前が出てきて勉強になる。
父は、若い頃、陶磁器を集めていたが当時、買うチャンスは何度もあったけど、魯山人がここまで評価があがるとは思わなかったと言っていた。そのため、魯山人の作品が1個も手にしなかったようだ。
ここ数年思うのが、日本画の重鎮が亡くなってから、日本画が終わった感がある。それは日本画だけではなく洋画もそうなんだけど・・・それに、この陶磁器界もそんな気がする。家に絵を飾ろうとか、作家の湯呑みを買おうかと思う人が本当に少なくなった気がする。
日本はもう少し、日本の芸術に少し投資しないと日本文化も終わってしまうのではないかと思う。
