秋口に東京国立科学館に行った時に、この展覧会の看板が入り口にあったけど、やまと絵か・・・去年大きな展覧会を開催したから、今年は昨年のような大型の展覧会は開催しないできないだろうと思って、なんの興味を持たなかったが、なにげに調べてみたら目を疑うような展示リストだった。だって、日本四大絵巻を前半後半合わせて、全部展示するって「はっ?」って思ってしまった。数年前、鳥獣戯画だけであれだけの動員数だったのに。それに。見れなかったけど、神護寺三像に佐竹本三十六歌仙に餓鬼草紙に国宝と重要文化財だらけ。昨年の国宝も凄かったけど、日本全国からこれだけもの「物」を集めて展示できてしまうのは、もう恐怖すら感じるくらいすごい。
日本4大絵巻の伴大納言絵巻と鳥獣戯画は見たことあったけど、源氏物語絵巻はタイミングが悪くみるチャンスがなかった。すごいとは思っていたけど、断片でありながらものすごい描写で衝撃だった。それと信貴山絵巻。見たくても、どこに行けば見れるのかすらよくわからなくって、一生見れないのかもと思っていた・・・それが尼公巻を全部見せてくれた。これね、ただただすごいの一言。水の描き方、場面の変わる風景の描写、慎重に書かれているが、自信を持って線の1本1本が異次元だった。鳥獣戯画の天才が感覚で描いてるのとは、対照的ではある。ほんと日本美術ってただただすごいと思う。
他の絵巻も何点か展示されていたけど、やはり四大絵巻と言われるだけのものだと思う。けど、なぜ、平治物語絵巻も含めて五大絵巻にしてもよいと思うんだけど。
それに根津美術館といえば、那智の滝図。何度も根津美術館に行ってるけど、この作品を見たことがなかった。これはほんと写真と実物は別物だった。那智の滝に行ったことがあるけど、絵のままじゃない、実物のままだった。数百年変わらない。
そうそう、それと厳島神社の平家納経の素晴らしさ。あまりにも保存状態が良すぎて、数百年前のものが、その当時の状態となんら変わらず見ることできることに感謝しかない。
今思うと、この展覧会を見れたのは、今年1年、本当に頑張った神様からのご褒美だと思った。これだけやれば、こんなに素晴らしいご褒美があるんだと来年も父の介護を頑張ろうと思わせてくれた。
もう少し早く知っていたら、1人でせめて前半後半分けて見に行ったくらい。
夢の中にいるような時間だった。思い出しただけ涙がでてくる。これだけの「物」をほんとよく集めて展示したと思う。それに、ここのキュレーターは、ものすごい情報量。さすが日本で1番の博物館だけあって。知識も桁違い。