琉球展
東京国立博物館
出張ついでに色々展覧会を探してみたけど、大して見たいのもなく、国立博物館に行けばどうにかなると思い上野へ。企画展は「琉球展」は知っていたけど、沖縄にはあまり興味もなく常設展と東洋館を見て時間を潰そうかと思ったけど、今年は沖縄返還50周年ということあるしなんとなく見ることにした。
この展覧会は、ものすごく色々なことを考えさせらるし、自分が思っていた沖縄の見方が大きく変わる。戦後、沖縄が日本から切り離され20年という時間は大きかったように思う。私の世代は沖縄の文化と言われても恥ずかしながら紅型と金城次郎くらいしかなく、このくらいの文化しかないかと思っていた。この展覧会を見ると、文化というのは、国が豊かで平和な時に栄えるもので、琉球には、この豊かな時代が長く続いていたせいもあり、金細工や螺鈿など素晴らしいものが生まれた。考えてみればわかることだけど、東アジアとの交易が盛んだったせいもあり、中国から最先端の人、ものが入ってきたのは、この展覧会を見れば「はっ」とさせられる。本土より、もっとグローバルな視点で世界を見て文化を発展させていたのが、この天覧を通じてよくわかる。
この美しい文化を沖縄戦でどれだけ消失し、どれだけこの文化が途絶えてしまったのかと思う。私たち、本土の人間は、沖縄をもっと知るべきだと感じる素晴らしい展覧会だった。
