ものごとを継続するのが苦手なIさん。今年の一月から新たな取組みに挑戦し、自己向上に努めようと決意しました。それは「日記を毎日継続的に書く」ということでした。

 日記を書き始めて三ヵ月が過ぎた頃は、<よく続いている>と自賛していたIさん。しかし半年もすると喜びが半減したのです。日記の内容が、業務で失敗したことや、問題点を記すなどの、反省内容ばかりで溢れていたからです。

 書くことが億劫になってきたところで、日記を長年書き続けている職場の先輩よりアドバイスを受けました。

 「昨日の良かった点だけを書いてごらん。短所の矯正より長所を伸ばすほうが、君の器は大きくなるぞ」というのです。

 早速、良かった点のみに絞って日記を付けると、昼間の嬉しさが甦ってきてイキイキと書けるのです。さらには、落ち込んだ時に過去の良かった出来事を読み返すことで、気持ちが前向きになっていくのを実感したIさんでした。

昔から日本では、弓道に例えて「仕事の極意」が語られてきました。

 下手な人が矢をつがえて的を狙うと、狙う矢の先がぶれて的が遠ざかり、小さくなっていくような錯覚を覚えます。

 ところが修練を重ねた達人になると、矢を的に向けた途端に的のほうからグーッとこちらに近づいて、矢にくっついたように大きく感じられます。

 そこからさらに精神と技の練磨が進むと、右手で矢を持った瞬間に的のほうが矢に当たっているという、百発百中の境地があるといいます。

 弓道家で、弓聖と呼ばれた阿波研造氏は、弟子に「的を狙うな」と戒めました。当てようとする「執着を一掃せよ」との教えです。

 仕事においても、結果を求めるあまり執着が過ぎると、頑張りや我慢が度を越し、実力を発揮できないばかりか大失敗を招きかねません。

 澄み切った清い心で高い目標に立ち向かうための工夫を、誠心誠意尽くしていきたいものです。

友人の誘いがきっかけで登山を始めたSさんが、初めて一人で山登りをした時の出来事です。初心者向けといわれる低めの山への挑戦です。

 計画通り頂上に到達し、景色を満喫していました。ところが、いざ下山となった時、途中で帰りの道を見失ってしまったのです。Sさんはそこで軽いパニック状態に陥り、恐怖心を覚えました。

 冷静さを取り戻し、いったん下山してきた道を引き返すと、何とか正規のルートを発見できました。そして、無事に下山することができたのです。

 遭難の原因は、Sさんの下調べの不足にありました。何と地滑りが原因で、地図と比べてルートがずれていたのです。それからは、どんなに低い山であっても必ず入念に下調べをし、準備に万全を期するようになったのでした。

 職場においても、下調べや入念な確認を経て、仕事を進行することが重要です。<わかっているから>と考えて準備を怠れば、肝心なところでつまずいてしまいます。段取りを万全にして職務に臨みましょう。
 ロンドンオリンピックの体操男子個人総合で、

内村航平選手は金メダルに輝きました。

内村選手が追い求めた

「美しさ」

の結晶でもあるでしょう。

「人は美しいものに目を奪われ、

心を沸き立たせる。

体操を芸術を愛でるように観てほしい」

と内村選手は述べています。

この「美しさ」

の追求はスポーツ競技・

芸能の分野にとどまらず、

私たちの日常生活の様々な場面で

必要な行動規範であるといえるでしょう。

例えば、

背筋を伸ばし、

手の指を揃えるといった

「美しい」

挨拶をすることで、

相手に与える印象は大きく変わっていきます。

美しい挨拶を交わすことで、

それまでギクシャクしていた

人間関係が良好になることもあるでしょう。

道ばたにゴミやタバコの吸殻を捨てない、

電車内でのマナーを守るなど、

私たちが「美しさ」を追求することで、

それらは自然と改善していくものです。

職場内での挨拶、

コミュニケーション、

清掃等においても、

「美しさ」

を行動規範として業務に励んでいきましょう。
Nさんが電車に乗っていると、

小学生くらいの男の子と父親が乗ってきました。

子供が空いている席に座ろうとすると、

父親が

「ダメだよ」

と止めたのです。

その父親は

「立っている人がいない時は座っていいけれど、

自分より年上の人が一人でも立っていたら、

席に座っちゃダメだ」

と諭していました。

Nさんはこれまで、

車内ですぐに子供を座らせる親を見てきたので、

少々厳しい父親だなと思いました。

しかし、

この父親の躾の姿に感心させられました。

数日後、

電車内で親自身は立ち、

子供を座らせている姿を見かけました。

子供を可愛がる親心は理解できるものの、

Nさんは釈然としない思いを抱きました。

年長者と年少者との間には、

社会習慣上守るべき一定の規律が存在します。

親を差し置いて子供を優先する行為は、

子供を甘やかすこととなり、

わがままを増長させる原因にもなります。

家庭、

職場、

公共機関において、

年長者に対する心遣いを養うことが大切です。

そうした心遣いを形に表わしていきましょう。