Nさんが電車に乗っていると、

小学生くらいの男の子と父親が乗ってきました。

子供が空いている席に座ろうとすると、

父親が

「ダメだよ」

と止めたのです。

その父親は

「立っている人がいない時は座っていいけれど、

自分より年上の人が一人でも立っていたら、

席に座っちゃダメだ」

と諭していました。

Nさんはこれまで、

車内ですぐに子供を座らせる親を見てきたので、

少々厳しい父親だなと思いました。

しかし、

この父親の躾の姿に感心させられました。

数日後、

電車内で親自身は立ち、

子供を座らせている姿を見かけました。

子供を可愛がる親心は理解できるものの、

Nさんは釈然としない思いを抱きました。

年長者と年少者との間には、

社会習慣上守るべき一定の規律が存在します。

親を差し置いて子供を優先する行為は、

子供を甘やかすこととなり、

わがままを増長させる原因にもなります。

家庭、

職場、

公共機関において、

年長者に対する心遣いを養うことが大切です。

そうした心遣いを形に表わしていきましょう。