

インセプション
試写会で見たのですが
『メメント』では『記憶と事実の境界』を
『インソムニア』では『過失と故意の境界』
を描いてきたノーランですが、
今回の『インセプション』で
描いたのは『現実と夢の境界』。
ノーランの描く『夢の世界』は、
そこらのファンタジーにありがちな
メルヘンチックなものではなく、
きわめて現実的です。
それは『何処からが夢で、
何処からが現実か?』ということを
観客に考えさせる為でしょう。
ノーランの映画が好きな人は間違いなく楽しめます。
「よくこんなこと思いつくな!」って思うシーンの連続。
しかもどんな奇抜なアイディアでも、
できるだけ実写に拘り、
工夫を凝らして実際に映像にしてしまうのだから凄い。
肝心のストーリーも凄いんですが、
正直これは説明するのが難しい。
「公開までストーリーを明かさない」というのが、
一種の宣伝であると報道されましたが、
正直このストーリーをマスコミに明かしたところで、
それを理解してうまく宣伝できる人はいないでしょう。
もう実際に見て頂くしかないと…
それでも、
これまでのノーランの映画を見てきた人には、
この映画で伝えようとしてることに、
すぐにピンと来るはず。
しかし、
この映画が一般の人にどう評価されるのかは、
全く見当がつきませんね。
隣に座っていた人の話ですが、
寝てしまったと言って居るのを聞いてしまいました(@_@;)















借りぐらしのアリエッティ
ファンタジー然とした小人目線での
描写には目を見張る一方、
作為的な盛り上がりに落胆を隠せず、
トータル的には及第点といったところ。
ただ憎めないのは、
新人監督らしく思い入れたっぷりに作品の
随所から過去のジブリ作品への
愛情が滲み出ているから。
ジブリファンならいたるところで
ニンマリしてしまうこと必至だろう。
ストーリー的にはかなりこぢんまりとしたお話で、
簡単に言ってしまえば、
人間に見つかってしまったアリエッティ一
家が引っ越していくだけ。
序盤は初めて人間の住む部屋へ
“借り”に出掛けるアリエッティの目を通して、
“巨人の世界”での冒険が描かれる。
これがなかなか圧巻で、
人間にとってありふれた日常世界が、
壮大なワンダーワールドと化す様は
ファンタジー映画らしい楽しさに満ちている。
単に視点の違いによる巨大な世界というだけでなく、
そこで暮らす小人たちが人間の日常品を
工夫して道を作ったり、
冒険の道具に使っているという
様々なアイデアの映像化が、
些細なものから空想を広げた童心を思い起こさせ、
このワクワク感はまさに
「子どもの頃には見えた」世界だ。
しかしアリエッティと翔の交流に話が進み、
人間の側に視点が移ると、
途端に魅力がしぼんでしまうのが残念。
アリエッティにしても翔にしても、
よかれと思ってしたことが
厳しい現実の前で悲しい結末を招く。
そういう教訓めいた流れ自体は
若い二人の成長譚として充分納得いくのだが、
小人を捕まえようとする家政婦の
くだりが明らかに演出過剰で、
この素朴なおとぎ話を破綻させてしまった。
家政婦を悪役に仕立て、
無理矢理にサスペンスを盛り
上げようとしたのが失策だろう。
この作品世界の小ささから考えると、
小人を捕まえようとするのも子どもの
いたずらぐらいでちょうど良かったように思う。
ちょっとグダグダになりかけた終盤、
なんとか盛り返すのも、
アリエッティたちが変にやり返したりするような
スペクタクルに走らず、ただ引っ越すだけという、
小人という素朴な題材らしい“身の丈に合った”
落としどころを選んでいるからにほかならない。
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