昨年に引き続き、お盆休みシーズンに
知床の百名山の1つ羅臼岳にアタック。
前夜、過去付き合いのあった懐かしい人達が
入れ替わり登場する忙しない夢が脳裏で展開され
体力温存のための万全な快眠に程遠い一夜となり
スマフォにセットしたアラームが鳴る前の
早朝3時に目覚め少しのウトウト後3時半起床。
朦朧とした意識で登山エネルギー摂取目的で
機械的に胃に収めるだけな感じの朝食後、
荷物を手速くまとめ車に積み込み
もう明るくなった4時半にキャンプ場を撤収。
5時に昨日下見に来たホテル涯の駐車場に到着、
登山口から歩き始めたのは5時半。
登山口で入山届けに氏名を記入した折、
今朝、既に十数人の入山者がいることを
確認できて少しホッとします…
遭遇リスクがどれほど違うか知る由もありませんが
ヒグマさん棲息密度世界有数エリア山中の
単独行動だけに、志を同じく頂上を目指す登山者が
ほかにも沢山いらっしゃるだけで心強い。
今回のクマよけグッズは
鈴とスプレーとウオークマン…とそれから私。
ナタの購入も考えたのですがその重量が
負担になりそうで最終的に外しました。
冷静な判断をする自分の平常心がクマ遭遇
リスク回避の最重要ポイントですし…
睡眠不足の影響無く登り始めから体調良好、
幾組かのパーティに追いつきながら先に行かせてもらい
気持ち良いペースを維持して少しずつ標高を稼ぎます。
途中、山地図上に「ヒグマ出没頻度が非常に高い」と
記された箇所が2つあるのですが、該当エリアで
見通しも悪くかつ他の登山者も見当たらない時は
小型スピーカー付きウオークマンで
好きな音楽を鳴らしながら存在をアピール。
楽曲は達郎さんのアルバム「Come Along Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」。
時々入る小林克也さんのDJがクマさんに
「ここに人がいるぞ!」と強調して伝達するのに
何となく有効であろうと根拠もなく選曲。
実際は獣の匂いも足跡もなく不安を感じることなく
着実に歩を進めることができました。
溶岩ドームを眼前に見る羅臼平まで2時間40分。
標準時間より1時間セイブでき順調なペースでした。
真夏の時期でも汗だくにならず気持ちよく
歩けるのが北海道での登山の大きい魅力。

羅臼平から羅臼岳のトロイデを眺める

木下弥三吉翁のレリーフのあるテント場、近くにフードロッカーもあり。
羅臼平の木下弥三吉翁のレリーフのある広場で小休憩。
この木下さんは今回歩いた岩尾別の登山コースを
昭和初期に拓いた方だそうです。感謝!!
5分間ストレッチしながら休憩後、
ハイマツの中の登山道を歩くこと1時間程、
9時過ぎに羅臼岳の頂上に到着。
少し霞んではいますが360度の眺望に恵まれ、
おにぎりを食べながら絶景を楽しみ30分休憩。

山頂(標高1,661m)から知床連山方面展望

山頂から斜里岳方面展望…眼下右にウトロの街、左は羅臼湖

北方領土方面展望…雲海上に見える国後島の山(爺爺岳?)のシルエット
ここまで来ると目にする景色の中で
やはり気になるのが返還交渉が遅々として
前進しない北方領土。
知床半島から国後島までの最短直線距離は
27kmくらいですが遠い異国の地。
見た目には意外と近く感じ島の影を追うと
綺麗なコニーデ型の山のシルエットが見えました。
山地図での同定はできませんが、多分、
爺爺岳(ちゃちゃだけ)という成層火山で標高は1,822m。
地球サイズで俯瞰すれば、
太平洋プレートの沈み込みでできる同じ火山フロントの
ライン上でカムチャツカ半島から十勝岳まで続く
千島火山帯の中の火山。
内閣府の北方領土紹介ページによると島内に
火山からの恩恵である温泉も十数カ所存在。
羅臼山という名の山もありこれも火山のようです。
日露の経済協力事業等の進展で登山トレッキングや
温泉入浴ツアーに行けるような未来は来るでしょうか。
さて、エネルギー補充後もう一度東西南北
ぐるりと山頂からの景色を目に焼き付けてから
同ルートを折り返します。
これから頂を目指して登ってくるトレッカーも多く
山頂直下のガレ場のすれ違いは焦らず逸らず
ゆっくり慎重に膝を曲げながら下りました。
いつものことながら
登る時はあまり上を見あげず一歩一歩精神集中し
頂上までコースタイムより早くつくのが恒なのですが、
下山はどうしても集中力散漫になりがち。
今回は特にヒグマ出没エリアを無事通り抜けた後
短調な下りが続く樹林帯で焦燥感ばかり先立ち
結構後ろからのパーテイに追い抜かれ気力が萎えがち。
そんな終盤にちょっとしたアクシデント発生…
ゴールまであと1時間くらいの樹林帯で
ビッグサイズの外人さんとすれ違う刹那、
谷側に留まったまま道を譲ろうと足を止めた刹那、
後ろに一歩下がったらそこに地面はなく
踏み外してしまい斜面にしがみつくような格好に!
斜度50度くらいだったでしょうか、
まっすぐ切れ落ちた崖でなく草の生えた斜面
だったのが不幸中の幸い。
そして次の瞬間その欧米系のトレッカーが咄嗟に
小生の脇を抱え引き上げてくれたのでした。
危ないところだった(゚д゚lll)…
まだ呆然としている私に
「アー ユー ウェール?ダイジョウブデスカ?」
という日本語の問いかけに
「アイム OK, サンキューベリマッチ」とお礼。
さらに 「キヲツケテ!」と激励してくれて
「ハブ ア ナイスデイ!」で別れました。
もう大腿筋がつり気味で漫然と歩いたけれど
ヒヤッとする危ない目にあってやっと覚醒、
ここから最後の集中力を振り絞って下りました。
下山終了目前の祠で無事山行終了の御礼。
標準タイムを大巾オーバーして14時に登山口に帰還。

羅臼岳御神体聖域の境界。紙垂と祠の前で無事下山に感謝!
ホテル地の涯の駐車場でピックアップのため
下山待ちしてくれていたパートナーはこの日
歩いて知床五湖・カムイワッカの滝まで行ったとの事。
知床林道歩行中、数十メートル先に生のヒグマさん
を目撃したとの話を聞き、今更ながらここ知床の地に
羆が実在する現実を身近に聞いて恐ろしいやら
羆の生身を直に目にした体験が羨ましいやら…
まあとにかくお互いトレッキングの無事コンプリを
喜びいあました。
知床を後にし国道で斜里方面へ。
再び小清水原生花園の近くにある本日の宿、
小清水はなことりの宿ユースホステルに投宿。
宿の近くにある原生亭温泉でトレッキングの汗を流しました。
かなり熱いお湯でしたが、入浴料300円の昭和の佇まい
の銭湯でした。湯から上がって外に出て
夕暮れの濤沸湖と小清水の原野の向こうに
屈斜路湖の外輪山、藻琴山のシルエットを眺めました。
標高1,000m屈斜路湖を見下ろす絶景が望めるようで
また次の機会訪ねてみたい山です。
湯上り後には少し冷たいぐらいの風が吹いていました。

濤沸湖と藻岩山
夕食後、前夜の寝不足と筋肉痛で早々に就寝。
その夜は夢無しの心地良いノンレム熟睡でした。