前夜早めに就寝したものの
キャンプ場の晩餐の賑わいは未明まで終わらず
浅い眠りのまま薄暗い夜明けを待ちました。
4時には起床して早々に朝食を済ませ
5時半前には小雨の中を出発。
斜里岳山麓の林道を40分ほど走り登山口に到着。
立派な山小屋・清岳荘でトイレを済ませ
6時半には山小屋脇の登山口からトレッキング開始です。
雲は厚いけど雨は止んでいるのが幸運。

雨に濡れ瑞々しいラワン蕗とシシウドを眺めて林道を進む
10分程歩くと林道の終点に
本格的な山歩きは此処からとばかり
「登山届けは済みましたか?斜里岳頂上3.6km」の道標。

林道終点にある登山案内板
ガイドブック推奨通り、登りは沢沿いのルート、
下りは尾根筋のルートをとります。
このコース、まず往路は山歩きというより沢歩きのルート。
27年間の登山ライフのなかでも渡渉の経験は殆ど無く、
降雨後の沢の水量によっては途中で引返す事も止むなしと
少々の不安を抱きながらの沢登りでしたが、
いざ歩き始めると適度な流れと戯れるように
リズムをとってステップを踏み適当な歩幅にあう石を見つけながら
登山靴の中に浸水しない程度の沢を踏み越える刹那
控えめなスプラッシュの跳ね返りが心地良いことこの上なし。
(勿論スパッツは装着しています)
陽も差してきて不安も吹っ飛び
沢歩きの楽しさを体感しながら進みます。

一の沢に沿って少しづつ高度を上げていきます
歩き始めて1時間で旧道と新道の分岐点・下二股に到着。
この先頂上に向け今までより斜度はきつくなりますが
このまま沢登りをする旧道を進み高度を上げます。

旧道と新道の分岐点、下二股
此処からはいくつもの涼しげな滝を観ながら
時にはその端を時には真ん中を登っていきます。
沢水が鉄分を含み赤茶色にこびり着いた酸化鉄で
普通の登山靴のソールでも岩をグリップでき
スリップの不安なく登っていけました。

最初に現れたカスケード・水蓮の滝…鉄分で赤い沢を登っていく
羽衣の滝…滝口を見上げる

羽衣の滝…滝壺を見下ろす
2時間ほど登り、万丈の滝の手前で小休止。
標準タイムから遅れずまあまあ順調なペースです。
ところが此処でトラブル発覚。
一緒に登っていた同伴パートナーのトレックシューズ
のソール部分が本体のつま先から半分剥がれ
ぺコンペコン状態に(゚д゚lll)
昔、私もゴルフラウンド中で同じトラブルになり
ぺコンペコン鳴らしながらプレイを続行した経験はありますが、
山中では笑い事ではない…
沢登りエンジョイムードが一転緊張感に包まれます。
予備の靴紐で固定し応急処置を施すも
これ以上予定通りの登山続行はリスク大きく
休憩兼ねて20分程相談の末、
私は頂上を目指し、パートナーは下山を決断、
不安を残しつつ此処から別行動をとる事にしました。
単独行動となり心細さを禁じえませんが、思いのほか
ビジターも多く幾組かのパーティと出会いもあったので
いつしか熊との鉢合せへの緊張は薄まり
ひたすら先を急ぎます。
万丈の滝…落差が大きい

万丈の滝…フォールを横目に補助ロープで溶岩の一枚岩を登る
途中、ルート目印のリボンを読み間違え
別の支流の沢に入ってしまい藪こきのような状況になって
ルート間違いに気づき、引き返して約20分のロス。
こんな時は正しいルートに戻って登山者に出会うとホッとします。

見晴しの滝

竜神の滝

もう少しで上二股…神社聖域のサイン紙垂が渡してありました
9時半過ぎに上二股にたどり着き小休止、
ここから沢幅は狭く、傾斜は緩くなり流れを踏んで
ゆっくり登りました。
沢と別れたあとガレ場のつづら折れ経由
尾根伝いに進むと祠を発見。
あとワンピッチで頂上です。

頂上を望む尾根道に斜里神社の祠
一旦下って最後の岩場をよじ登り
巻き道を進むと斜里岳山頂に到着。
登山口から4時間あまりの登頂でした。
期待した知床の大展望ですが、
残念ながら雲海が広がり知床連山やオホーツクは見えず。
しかし此処まで雨に苛められなかっただけラッキーです。

斜里岳の頂(標高1,547m)

頂上からの遠望は望めず…南斜里岳方向
頂上で腹ごしらえしながら40分程ゆっくり休憩。
往路ルートは上二股から新道に入り、
泥濘んでスリッピーな所があり数回尻餅をつきましたが、
熊見峠を経由し羆に遭遇することなく
ゆっくり下二股まで高度を下げながら歩きます。

熊見峠(標高 1,230m)
下二股で休憩していると、
「今日の斜里岳が百名山チャレンジ97座目で明日は十勝岳へ…」
と語られる登山者と出会い、似たもの同士の状況で
山の情報交換と経験談のおしゃべりに心酔しているうち
大粒の雨が降りだしました。
此処からは雨合羽上下を着込み、
雨に打たれながら午前中楽しんだ渡渉ルートを帰ります。
14時半登山口に戻り、本日は8時間のトレッキング。
レインウェアとスパッツと靴に付いた泥を落としました。
途中から別行動となったパートナーも無事下山して
パーキングで待機してくれており、
とにかくお互い無事の帰還に安堵。
山麓の緑清荘内きよさと温泉で汗を流し、
今宵の夕ご飯は無事生還の祝いも兼ね
清里町街中の焼肉屋さんで栄養補給しました。