[2024-04-23]5版:電流調整の考察
[2024-04-22]4版:昇圧器導入
[2024-04-07]3版:切れた所をアーク溶接しました
[2024-02-15]2版:また切れたことを追記
[2023-09-13]初版
小生のGSX250Rは、2021年モデルでありまして、そのカラーリングはパールグレッシャーホワイトNo.2/パールネブラーブラックというやつです。歌舞伎のくまどりのような雰囲気に一目ぼれして購入しました。
購入の時に、キジマ製リアキャリアの取付も注文しました。この手の鉄製品は一般に寸法精度が微妙に合わなくて、取付作業時に難儀するという情報をネットで見たことがあったので、たった4本ボルトをとめるだけですがDIYを避けました。その判断は正しかったらしいです。どうやら全体的に歪んでいたらしく、ネジ位置及び高さの現物合わせに苦労の痕跡がありました。
歪んでいるものをなんとか現物調整して設置してくれたのは有難いと思います。しかしそれは歪みによって他にも不都合が現れるリスクを物語ってもいるとも想定できるわけです。その想定は的中いたしました。キジマ製GSX250R用リアキャリアを車両に固定するためのボルトをかける腕が、下の写真に黄色矢印で示したところで、破断しました。
この破断は知らぬ間に発生したらしいです。ふと気が付くと、なんだかリアキャリアがグラグラしているんじゃないかなと気になって点検したところで初めて気付きました。この破断箇所にかかっていた歪が解放されたので他の3本のボルトが緩んだのではなかろうかと考えています。
キジマ製のGSX250R用リアキャリアが破断して壊れてしまった人が、小生の他にもいらっしゃいました。そのブログは「GSX250Rと過ごす日々2nd:破断しました(;;)」です。
復旧にあたって、今回はとりあえず応急処置でしのぐことにしました。下の図は、リアキャリアの破断箇所付近の断面図です。
破断した二つの金具両方に穴をひとつづつ開けて、小生のジャンク箱の中から見つけた添え板金をボルトでとめるという方法を使うことにしました。添え板金は直径3.2mmのボルトでとめました。ボルトにはワッシャ及びスプリングワッシャをかませてゆるまないようにしたうえで更にゆるみ止め剤を塗布しておきました。
上からのながめ。
裏側からのながめ。
[2024-02-15] 2版:また切れたことを追記
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添え金具をあてて修繕したのですが、半年もしないうちに、添え金具が破断してました。いつ破断したのかわかりませんが気付いたら破断してました。溶接する以外に手は無さそうな気がしてきました。溶接機を購入してまずは溶接の練習からはじめようかしらん。
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[2024-04-07] 3版:切れた所をアーク溶接したことを追記
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YouTube動画を拝見して少々勉強しました。たとえば、「DIY道楽テツ」さんが作成した「溶接の基本!「二枚の板をくっつける(突合せ溶接)」」という題名のYouTube動画の中でテツさんがおっしゃっておられた「溶けてる鉄を見てください」という言葉が、実際にアーク溶接の初体験をしてみたとき、なるほど、と感じました。
家庭用100Vで使える入門向け溶接機のテツさん推奨品というのもありますから、素直に従えばいいのですが、寄り道や回り道が大好物なので、下の写真で示すとおりの全然違うやつを選びました。
これを買いました↓
この溶接機は、まるで電池駆動の電動ドライバかと見間違えるような姿をしており、機動性抜群に思えます。こんなので本当に溶接できんのかしらん?と思いましたが、テツさんはご自身のYouTube動画「ハンドヘルド溶接機をTEMUで見つけました」の中でこのような型の製品については肯定も否定もせず面白がっておられましたし実際に溶接は不可能ではなさそうでした。
Handheld 120 IGBT MMA ARC Welder USER GUIDE 取扱説明書ダウンロード
The Handheld 120 is the latest evolution, if not revolution in welder design utilizing IGBT (Insulated-Gate Bipolar Transistor) technology that reduces the power demands while generating sufficient energy to create welds. any ARC
溶接後に金具の角度が違うと取付できなくなることを心配して、リアキャリアを本体から外さずに1点だけ溶接してから取り外して、本番の溶接を行うつもりだったのですが、さすがに溶接というのはそんな簡単にできることではありませんでした。下の写真に示すとおりカウルにお焦げがつきましたが1点も溶接できませんでした。このまま頑張るとお焦げでは済まずカウルを溶かしてしまいそうなので、リアキャリを外して作業を行うことにしました。
レンガを台にしてこんなふうに溶接することができました。
アーク溶接初体験ですし、ましてや、ハンディ溶接機という変わり種の型なのかもしれませんが、とにかく上手くできるハズもなく、芋と玉ですが、溶ける鉄を見ることはできたと思うので、全部ではないにせよ、溶けて溶接になっている部分はあるだろうと期待しつつ、芋と玉を電動グラインダで削りました(下の写真を参照のこと)。
塗装します。
いざここへ戻します↓
付きました↓
ちなみに、小生はアーク溶接なんてやったことがありませんから、もろもろ、必要になりそうなものを下記のとおりあらかじめTemuにて買い揃えました。
生まれて初めてのアーク溶接作業をハンディ溶接機で挑戦するということでした。なんとか鉄が溶けるところを見ることができたし、破断した箇所が一応くっつきましたので、よかったのですが、その後YouTube動画をいろいろ見学しましたところ、良質な動画に巡り合えたからだろうと思いますが、小生の初挑戦の経験記憶と照らし合わせて反省することで本当によい勉強になりました。
たとえば、下に参照する動画はとても勉強になりました↓
忘れないように、また、後で思い出せるように、勉強になったことを下に列挙しておこうと思います。
[1] アークをスタートさせる方法というのがあるんですね
溶接棒を溶接対象にゆっくりと近づけていけば自然にアークが始まるんだろうなと想定しましたがそうはなりませんでした。バチッと火花が飛ぶのでそのままアークが始まってくれると思いきや、その一瞬だけで、溶接棒が溶接対象にくっついておしまい、という症状に陥りました。仕方がないので、ハンディ溶接機の引き金から指を離して、ハンディ溶接機を上下左右にゆっくり動かして溶接棒を溶接対象から取り外しました。この過程を何度も繰り返していると、何度かに一度くらい、アークが始まることがあるのですが、すぐに終わってしまいました。そうこうしているとそのうちに一瞬たりとも火花すら飛ばなくなってしまいました。その理由は、溶接棒の芯がその周りを囲んでいる物質に埋もれていたからでした。ニッパーで溶接棒の芯を露出させてやると、また、バチッと火花が一瞬くらいは飛ぶようになりました。結局、たまたまアークが始まってくれたので、鉄が溶けるところも見る機会に恵まれ、2cmの溶接もできちゃいましたという幸運に恵まれたわけですが、上で参照したYouTube動画に出会たおかげさまで、タッピング法及びブラッシング法という、アークをスタートさせるための行為が存在するということを知ることができましたので、次回は、運よくアークが始まるのを待つのではなしに、意図してアークをスタートさせることができそうです。
[2] 勉強はつづく
[3] 安物ではあるもののちゃんと使えます
と言っている動画がありました。しかもビードが美しく仕上がっているように見えました。動画のアップ主さんは、テムで入手したと言ってます。見る限り小生がテムで購入したやつと同じ物にしか見えません。しかし、小生の手元に届いたやつのロゴはXCORTだったのですが、この動画ではOFLASとなっている点が違っていることが気になりました。どうして気になるのかと申しますと、以前AliExpressで購入したMMDVM Pi-Star WiFi hotspotなのですが外観が同じだったんですが中身はOStarだったという経験があります。一事が万事とは限りませんが、中華製品は外観が同一でも中身が違うことがある可能性はなくはないでしょうね。同じだといいけど。まぁいずれにせよコンセントの電圧は違っていてそこは結構影響があるみたいです。日本は100Vだけど海外は110Vだったり220Vだったりするからなぁ。
[3.1]
こっち↓に紹介されているやつもロゴがXCORTではありませんね。だけどやっぱり海外でのお話なのでコンセントの電圧は100Vよりも高いことは確実です。
[3.2]
小生のところへTemuから届いたやつはXCORTというロゴで電源プラグは米国式3Pでした。DIY道楽テツさんが入手されたやつと同じものみたいです。
[3.3]
「オジサンの休日」様のYouTube動画で登場しているやつは、BTOBIというロゴで電源プラグは日本式2Pの模様です。
[3.4]
XCORTのようなハンディ形溶接機ではありませんが、電源として家庭用100Vを利用する溶接機という観点で参考になるYouTube動画がありました↓。
[3.5]
ちなみに、もしもコンセントの電圧だけが原因でアークの力が弱くて使いづらい状態で動作しているのだということであるならば昇圧器を導入すると解決できるでしょう。とりあえず我が家のリビング・台所・洗面所・車庫などに設置されたコンセントの電圧を測ってみましたところ、103.9V~104.7Vでした。XCORTハンディ溶接機に同梱されていた取扱説明書によりますと、電源電圧の仕様は、110V±10%なので、99V~121Vならば動作するはずですから、我が家でもそのまま動作自体はしてくれるはずですが、余裕が無くて動作安定性が悪くなる可能性は十分あるでしょう。XCORTハンディ溶接機の電源プラグは明らかに北米仕様の格好をしていますから、北米のコンセントの電源電圧110V~120V(例えばロサンゼルスの場合が110V)を想定していること自明だとすれば、110-100=10 (V)なので、これを121-99=22 (V)に照らすと、日本のコンセントに挿して使うということは、北米のコンセントに挿して使う時の約半分(46%)しか余裕が無い状態で使うことを意味します。北米120V仕様のヘアードライヤを日本のコンセントに挿して使った経験をお持ちであれば、肌感覚でご存じだろうと思いますが、使えるには使えるけどなんとなく弱っちい感じになると思います。なので、北米のコンセントを想定している電化製品をその製品が備えている性能を余裕等も含めて普通に利用したければ、やはり、100V→115V昇圧は必要不可欠と言わざるを得ないと思います。なので以下に示す動画は役にたつと思いました。但し、動画の中で使われている表現に一部誤解を招く点がありました。それは「昇圧で性能アップする」という表現です。飽く迄も「115Vのコンセントを想定している製品の性能を素直に利用できるようする」だけであって性能アップするのではないという点です。
[3.6] [2024-04-22]4版:昇圧器導入
素直にテツさんと同じやつを買っておけばいいというのが普通なのですが、へそ曲がりの冒険野郎なので、別のメーカ製の機種(これ↓)にしました。
[4] 市場に安い溶接機はあまたありますがこのハンディ溶接機はそこに含まれない
と言っている動画がありました。
[5] 電流調整ツマミに対応する電流値 [2024-04-23]5版:電流調整の考察
についてライン電流計で測った値を共有してくれている動画がありました。動画によれば、電流調整ツマミはOFF~1~2~3~4~5~と刻まれており電流値の目安は以下の模様。
1・・・35~45A
2・・・45~55A
3・・・55~65A
4・・・65~75A
5・・・75~85A
MAX ・・85~95A
YouTube動画[3.5]は、家庭用100Vを30Aの契約(サービスレーカー)を2系統の20Aの安全ブレーカーを介して屋内コンセントへ配線する構成で、溶接機の設定を120Aにしておけばギリギリでブレーカーが落ちなかったと言ってます。小生の自宅もそれと同様で、サービスブレーカーが30A契約(実際はスマートブレーカーに替わっているためサービスブレーカーは無印)でありまして、そこから台所用、リビング用、エアコン用のコンセントへそれぞれ20Aの安全ブレーカーを介して配線が行ってます。そして、YouTube動画[5]では、電流調整ツマミをMAXにしてもXCORTハンディ形溶接機出力側での電流実測値は95Aだったと言ってます。120Aを下回っているので電流調整ツマミをMAXにしても20Aのサブブレーカーは落ちないかもと期待してしまいます。
[6] ブレーカーはすぐに落ちるものか?
電気ストーブ、エアコン、電子レンジなど比較的電気を食う家電製品のスイッチをオンにしたときや、冷蔵庫のサーモスタットが働いた時などに、居間の照明などが一瞬暗くなるという経験をしたことのある人がおられるかもしれません。最近は、そんな経験はできないのかもしれませんが、昭和生まれの人だったら経験豊富かもしれません。それらの家電製品が稼働開始する際に、いわゆる突入電流というやつがあるからです。突入電流は定常動作時の電流値よりも結構大きな値なので、定常動作時の電流よりも何割か増したくらいの値で家庭の配電盤にあるブレーカーが落ちるようでは、そもそも家庭電化製品の動作が始まりません。なので、ブレーカーの遮断電流値というのは、突入電流は見逃してくれて、本当の漏電とか本当の過大電流のときだけ働いてくれるといった動きをしてくれないと役に立ちません。「ブレーカーとは? トリップする時は?定格電流とは?」というサイトによれば、ブレーカーは、定格電流の105%までは落ちず、定格電流の125%が1時間流れた時には落ちるように作られているんだそうです。定格電流の125%になった瞬間にブレーカーが落ちるのではないということです。正確にいうと、ブレーカーの構造上、定格電流の105%~125%までの間でアバウトに落ちるんだそうです。なので、20Aの安全ブレーカーは、一般的には、25Aが流れ続けていると1時間以内に落ちるということを意味します。過負荷時の動作時間の例として下の表が示されてました。
また、短絡電流が流れた時には、瞬時にブレーカーが落ちますが、瞬時って何秒なのかというと、ブレーカーの型式によって動作時間が異なっているんだそうです。詳しくは、ブレーカーの特性曲線の瞬時動作の仕様として示されているそうですが、一般的には、定格の1200%が0.01秒~0.2秒流れた時には動作するんだそうです。なので、20Aの安全ブレーカーが落ちるということは、一般的には、240A流れる状態が10ms~200ms続いたということを意味します。
XCORTハンディ溶接機はAC100Vを整流して直流に換えたあと、インバーターで再び交流にして、その交流を整流して定格出力電圧24.8V出力電流20~120Aにしてアークを飛ばしてます。インバーターの周波数が書いてないので不明ですが仮に50kHzだとすると、一周期は0.02msになるので、AC100Vコンセントから46A(定格入力電力4.6kVA÷100V)吸いとる期間は0.01msということになります。0.01ms期間0A、0.01ms期間46Aの繰り返しです。
0.01ms< 10ms
なのでブレーカーくんはこれを短絡電流だとは思わないでしょう。でも0.01ms毎に46A流れている状況は、ブレーカーくんに「じわーっ」と効いて、安全ブレーカーくんが今だと感じたときに落ちるというのが現実なんだろうと想像しました。では、いつ「今だ」と感じるのか?やってみないとわからないんだろうと思いました。
[7] 溶接してるとインターホンが鳴るんです
我が家のインターホンは、雷が鳴っているとき釣られて鳴ることがあります。それから、ごくごくまれにですが、上空をどこかの飛行機が通過しているときにも鳴ることがあります。どうやら玄関に設置したインターホンと室内に設置したインターホンとの間を結んでいる電線あるいは電源線に電位が発生して、インターホンのボタンを押したのと同じ状態が生じたのではなかろうかと想像しました。下に示す動画は、インターホンが鳴ってから数秒経つとブレーカーの落ちる音がする全部で12秒間の音トラックを、XCORTハンディ形溶接機を写した静止画に合成したYouTube動画です。ちなみに、インターホンの鳴り始めとアークの飛び始めとはほぼ同時でありまして、安全ブレーカー(20A)が落ちるまで10秒間、溶接が順調に進行しています。機材としては、XCORTハンディ形溶接機とコンセントとの間に昇圧トランスのPT-20U及びラインフィルタをいれてます。溶棒はおまけに付属してきた2.6mmΦです。我が家のコンセントの電圧は手元にある安物テスターでの実測で104.7Vでしたので、理論的にいうとPT-20Uの115Vコンセントから120.4VがXCORTハンディ形溶接機に供給したことになります。以上は、XCORTハンディ形溶接機の電流調整ツマミを5で運用した状況です。落ちた安全ブレーカーを復帰して、今度は電流調整ツマミを3にして溶接を続けました。アークを飛ばしている時間はせいぜい3秒程度だからかもしれませんが、それ以降ブレーカーは落ちませんでした。あたりまえだと思いますが、電流調整ツマミが3のときには、5のときよりもアークが始まりずらかったですし、溶接中のエネルギーも弱い感じがしました。
電流調整ツマミ5及び3のいずれのときの溶接も、下に示すのが試材です。2mm厚で直角三角形のステンレス板です。直角三角形2つを合わせて長方形に溶接するという溶接の練習です。アークを飛ばし始めてから終わるまで、たかだか数秒の作業です。長方形の左上及び右下が欠けていますが、電流調整ツマミ5で2.6mmΦの溶棒を使って2mm厚ステンレス板に穴があいて溶け落ちているわけです。
電流調整ツマミ5でも9秒までなら20Aの安全ブレーカーは落ちないのかもしれません。そして電流調整ツマミ3でも溶接はできそうだけど、そのまま10秒以上続けると20A安全ブレーカーが落ちるのかについては挑戦しませんでした。以上生まれて2回目の溶接作業の経緯を記しました。
[8] つづく
-----ここまで-----