家族とは? | 北京・Ma Chine...

北京・Ma Chine...

旦那様はマイペースな中国人。

日本に連れ込まれた旦那様の奮闘や、
中国を好きになろうと切磋琢磨する
私の日常・・・

中国人の夫を持ち、日本で生活していると

時々とってもいや~~な事がある。

それは友達との日常的な会話であったり、

テレビの放送であったり。

話している本人はなんら気にも留めずに話している

とわかっていても、私のどこかの部分がチクリチクリ。


「この前、マンションの駐車場が荒らされてね~、何台も被害にあったのよ!

 その車の持ち主の中に飲料販売の旦那さんの車があって、缶コーヒーと

 お茶が大量に積んであったんだって、コーヒーは持っていかずに

 お茶だけ全部盗まれたみたい。きっと外国人だろうって。マンションに

 出入りする外国の人を知らないか?って聞かれたよ」


話している本人には悪意はない、もう何ヶ月か前の事を話しているのだけれど

その友人宅には主人も含めて何度か遊びに出かけていた。


チクッ、チクッ。


外国人って何人の事?

缶コーヒーじゃなくて、お茶を持っていく外国人って何人??


こんな事は日常茶飯事。


「あのブランド、中国で生産しはじめたらしいからもう買わないわ。

 とにかく中国製の物を家の中に置きたくないですから。」


あの~~家の旦那中国製なんですけど。

 

精神修行と銘打って、にこやかに、平静を保って話をしているけれど、

内心はチクチク胸の奥が痛くなる。


中国を扱うテレビの中に好きなものがある。

そのシリーズは中国人が空港に降り立ってから本人をずっと追いかける

いわば、ドキュメンタリーである。

以前「小さな留学生」という題目で放送された。

小さな女の子が両親に連れられて日本で生活する事になる。

小学校に入学するも言葉が全くわからない。

泣いて、歯を食いしばって登校する。

教室に入ると自然に涙が出てくる。悲しいからではない、寂しいからでも

ない。

その女の子は悔しかったのだ。

その姿はとても健気でまたその女の子が可愛らしかった。

何年か後、その女の子はクラスでも成績優秀、みんなの

指揮を取るほどに成長していた。


これはやらせでもなんでもない。


そして最近もまたこのシリーズが放送された。

「泣きながら生きて」という題目。

それは時代の波に飲まれ勉強をする事ができなかったある父親が、

日本語を勉強しようとあるプロジェクトに参加する。

意気揚々と日本に降り立つと連れて行かれたのは

北海道の山村に作られた日本語学校とは名ばかりの

古ぼけた校舎。

住まいは今はもう誰も住まない長屋だ。

そんな山村で仕事などあるはずもなく、

勉強しながら、アルバイトをし、学費と仕送りをしようと計画していた

その父親の計画は無残にも打ち砕かれる。

結局、父親は逃走する事になる。

辿りついた東京で「不法滞在者」となり

主に清掃やコックなど日に何個もの仕事を掛け持ちする。

アパートはボロボロ。

お風呂はお金がかかるからと台所でビニールをかぶって入る。

全ては頭のいいと評判の娘の学費を稼ぐために。


娘と奥さんは二人、上海で生活をしている。

全く帰国しない夫の不貞を疑い、それでも娘の為に工場とも呼べない

縫製場で働いている。


そんな家族をカメラはずっと追い続ける。

10年ぶりに再会する娘と父。


15年ぶりに再会する夫婦。


涙、涙、子を思う親の心に打たれて涙で画面が見えなかった。


娘はニューヨーク州立大学に見事入学し、お医者さんになるのである。


でも、このテレビを見た中国人の主人の反応は私とは全く異なるものだった。


「どんなに頑張っても、不法滞在者だよ!犯罪だよ。

何故、そんなに家族が大事なら中国に帰らない?

お金の為?今の中国(上海)なら同じように頑張ればお金はもらえるはず。

こんな犯罪者をテレビで放送したりしていいの?

お金の為なら不法滞在を許可するという意味?だから中国人のイメージは

よくなるはずがないでしょう?」


確かにこの放送を見た時に少し疑問が残った、

それは主人と同じ部分でもあり、その娘さんが

とってもふくよかだった事と途中から整形をしたのか

顔が変わっていた事もある。


主人曰く


「この人達はそんなに貧乏な人達じゃないよ、ごく一般的な中国の家庭だ。

 貧乏だから不法滞在してでも、子供の養育費を稼ぎに来る?お金がない

 からでは決してない、日本人の考えるのとは違うよ。」


中国人のイメージ・・・・私の胸の奥のチクチクも

そんなイメージ先行の発言からのものが多い。


でもあの番組は、家族の為に頑張る父、

15年ぶりに再会した夫婦の幸せそうな顔

(ベッドには新しいシーツがかけられていたドキドキ

子を思う親の有り難味には十分心を打たれるものがありました。


まだ、自分の大事な旦那様の国の事を他人様にとやかく言われると

ムカッ!とくる私。身びいきも相当なものですが、これも

愛すればこそ!何年後はどうなるかわっかりませ~~んよ。