駅員
「タクシーに乗って下さい」

なぜか
皆はざわめき始める…

 
「私達は2人なんで…」

「僕達も3人なんで…」
 
 
どうやら
後一人乗れるようだ!!
 
 
ザワザワ…
ザワザワ…
 

「あ、あの…、
私一人なんで…
私乗ります!!」


右手を上げて下に下る
 
あの人が?

あの人が乗るみたいだゾ
 
みたいな目で見る
愉快な仲間達…
 
 
そう…!!
私が乗るんですYO!!
 
 
タッタッタッタッあしあし
階段を下る下る下る…
 
下には、
親子
(50過ぎのオヤジ、
 私と同じくらいな娘)

サラリーマン
(唯一メガネを
かけていない30代前半
イケメンだったような男性)


そして、
よく深田恭子に
間違われる私の計4人
 
タクシーを目の前に
私は流れ的に
助手席に乗る。

コレは確実に
死ぬと思った…

GOOD-BYE青森…
  
タクシー

「ヨロシクお願いしますあせる
今回は大変でしたね…」
 
計4人

「……。
 ヨロシクお願いします…」
 
ブーンブーン♪
タクシーの人の携帯が鳴り
外に出る
 
50過ぎオヤジ

「イヤぁあせる
青森って大変だね。
チョコレートでも食べてさ
気長に待とうよ!
助手席のお嬢ちゃん
チョコレートお食べ」
 

「………。
アリガトウございます。
それじゃぁ1コだけあせる」
 
こんな
ウンチを我慢している私に

トドメをさすように
渡されたアーモンド チョコ…

噛み締めながら食べた

あの味は
今だに覚えている…  


つづく


何十分くらいだろう…
私は眠りについていた。  
目が覚める時には
青森駅に着いていて
欲しいと願っていた。
 
微かに聞こえる
バスに乗る人達の
声と物音…

目を閉じながら
私は皆が
無事であるコトを祈った!
 
 
「スミマセン………
 スミマセン……」
 
小さな声が耳に入る
 
「スミマセン…
 スミマセン………」
 
声が大きくなるのが
分かった。
 
薄目で辺りを見回す…
 
駅員が
私の前に立っていた!
 
日が明けて
駅に着いたのか?

モウロウとする私に
 
「どうしますか?」
と、聞いてくる駅員
 
寝ぼけながらも
答える私…
 

「わ、私は…私は
帰る場所がありません」
と答えた…
 
駅員
「イヤあせるお客さんあせるタクシーを用意したんですが…。
このままだと
明日の朝でも無理かと…なので、どうしますか?」
 

「…帰ります……」
 

バカ丸出しの私を見せてやりましたゼ…
 
私は荷物をまとめ
列に並ぶ…
 
バスに乗っていれば
良かったかな…

と、今さら思う…
 
 
言葉すらでない
皆の疲れきった顔
 
重い荷物を手に少しずつ前に進むあしあし
 
停電して真っ暗な外
吹雪で前が見えない…
 
懐中電灯をグルグルと回す

駅員が大声で叫ぶ
 
駅員
「停電して前が
見えにくい状態に
なっております!
足元も滑りやすく
なっておりますので
気をつけて下さい!!
駆け出しださず
ゆっくりと前の方に
お進み下さい!」
 
何度も何度も繰り返す
駅員…

皆は只々
下を向き、無言で歩いた  
 
何度も言うが
これは現実であり
マンガでもドラマでも
ないんだ…
 

つづく


「……。
私はバス乗りません…」
 

30代前半の女性サン
私はアナタを信じます!!
 
朝になったら…
きっと電車は動くはず!
 
1時間以上経っても
バスは来ず、
サラリーマンの方々は
またもや動き出す…


腕を組んで駅員の元へ…

ナゼか全員メガネ…

ナゼか駅員も…
 
 
サラリーマン5、6人メガネ
VS
1人駅員メガネ
 
どう考えたって
勝てっこないさ…
 
メガネの奥に潜んでる
何かが見えた…
 
誰も悪くない
悪いのは
追いかけて雪国の
青森の天候なんや…
 
テレビもねぇ

電話もねぇ

車もそんなに走ってねぇ  
でもイイ所なんですよ…
 
もめにもめて
一段落した1時間後に
バス2台が到着。

ドコから出て来たのか
ワラワラと来る人の数…
 
小さいコを抱きしめる
家族 

手をきつく握りしめる
恋人タチ
 
ドラマでも漫画でもない
現実…
 
誰も何も分からない
この先を想像するだけで怖くなる…
 
ぶっちゃけ
どっちを選択しても
死ぬかも知れないと
思った…  

一番先に出てきた
家族の顔は
何だかんだ言っても一番大事な人だから
 
 
私は朝が来るまで
寝るコトにした

怖くて泣きそうな自分を弱いとは思わない…

死と向かい合わせな今
 
どうせ死ぬなら寝ながら何も分からないまま死にたいと思った
 
 
つづく