何十分くらいだろう…
私は眠りについていた。  
目が覚める時には
青森駅に着いていて
欲しいと願っていた。
 
微かに聞こえる
バスに乗る人達の
声と物音…

目を閉じながら
私は皆が
無事であるコトを祈った!
 
 
「スミマセン………
 スミマセン……」
 
小さな声が耳に入る
 
「スミマセン…
 スミマセン………」
 
声が大きくなるのが
分かった。
 
薄目で辺りを見回す…
 
駅員が
私の前に立っていた!
 
日が明けて
駅に着いたのか?

モウロウとする私に
 
「どうしますか?」
と、聞いてくる駅員
 
寝ぼけながらも
答える私…
 

「わ、私は…私は
帰る場所がありません」
と答えた…
 
駅員
「イヤあせるお客さんあせるタクシーを用意したんですが…。
このままだと
明日の朝でも無理かと…なので、どうしますか?」
 

「…帰ります……」
 

バカ丸出しの私を見せてやりましたゼ…
 
私は荷物をまとめ
列に並ぶ…
 
バスに乗っていれば
良かったかな…

と、今さら思う…
 
 
言葉すらでない
皆の疲れきった顔
 
重い荷物を手に少しずつ前に進むあしあし
 
停電して真っ暗な外
吹雪で前が見えない…
 
懐中電灯をグルグルと回す

駅員が大声で叫ぶ
 
駅員
「停電して前が
見えにくい状態に
なっております!
足元も滑りやすく
なっておりますので
気をつけて下さい!!
駆け出しださず
ゆっくりと前の方に
お進み下さい!」
 
何度も何度も繰り返す
駅員…

皆は只々
下を向き、無言で歩いた  
 
何度も言うが
これは現実であり
マンガでもドラマでも
ないんだ…
 

つづく