今日もピクニック日和。見学の後、公園のどこかで食べようと弁当を準備してきている。
写真撮影不可とのこと。復習するにも、備忘録を書くにも、臨場感ある記憶を甦らせるのに重宝するのだが。まあ仕方ない。
と言うことで、初回見学が終了。
出口にPHOTO SPOTがあった。
想定以上の混雑。次回は平日の朝イチに来るのが良さそうだ。急ぎショップに向かう。
今回は悩むことなく図録を購入。
70年という長い活動期間なので、モティーフや技法、作風が変わるのはよくあること。
ただデ・キリコの場合、一貫して変わらないものや、一度トーンダウンしてまた復活するものなどがあり全体像を掴むのが難しい。おまけに今回は記録が撮れず、図録を買うよりなかった。
まあ要するに、デ・キリコの作品群に魅せられてしまったということかも。なので、ピカソ展と同様の振り返りをしておこうと思う。
自画像・肖像
以下、図録に掲載された順を基本に、一部並べ替えながら、気になる作品を振り返ってゆく。なお全ての出典は、図録&デ・キリコ展公式サイトより。
「自画像」1922頃, トレド美術館
デ・キリコ34歳頃の自画像。生涯を通じ折に触れ自画像を描かれていたようだ。
「17世紀の衣装をまとった公園での自画像」1959, *FGIDC
*FGIDC: ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団
こちらはコスプレした71歳のデ・キリコ。
形而上絵画: ①イタリア広場
デ・キリコといえば形而上絵画。本展覧会では3つのモティーフを軸に展示されている。
バラ色の塔のあるイタリア広場」1934頃, トレント・エ・ロヴェレート近代美術館
左:「大きな塔」1915(?), 個人蔵
右:「塔」1974, FGIDC
2枚の塔の絵。左側が27歳、右側が86歳時の作品。同じモティーフ、異なる解釈、異なる技法、このような連続性、関連性のある作品群もデ・キリコの特徴だと思う。
「イタリア広場(詩人の記念碑)」1969, FGIDC
こちらは81歳で描いたイタリア広場。
形而上絵画: ②形而上的室内
2つ目のモティーフは形而上的室内。
ちなみに「形而上的(metaphysical)」とは日常体験の中では経験し得ないが、実は本質的、といった感じだろうか。
「福音的な静物Ⅰ」1916, 大阪中之島美術館
本作品においても、確かに描かれた世界は非日常的ではある。しかしながら、それが宇宙の本質を表しているのかは不明。この観点だけではシュルレアリスムとの差異はあまりないと思える。
「哲学者の頭部がある形而上的室内」1926, ナーマド・コレクション
「「ダヴィデ」の手がある形而上的室内」1968, FGIDC
「球体とビスケットのある形而上的室内」1971, FGIDC
どうやら30歳くらいまでの作品の評価が最も高いのだそう。画風などが変化してゆく中で、年を追うごとにより洗練され、進化しているようにも感じるのだが。
備忘録の後半では、3つ目のモティーフであるマヌカン作品の変遷を追いながら、デ・キリコや彼の作品について更に掘り下げてみたい。