地下神殿@首都圏外郭放水路 | 温室メロンの備忘録

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首都圏外郭放水路 地下神殿


ずっと観たいと思っていた地下神殿を訪問。人気ツアーらしく、なかなか日程が合わなかったがようやく実現した。活動的な知人に感謝。

首都圏外郭放水路 管理支所 龍Q館


埼玉県の春日部市、江戸川沿いに管理事務所がある。最寄り駅の南桜井から車で15分。管理運営は国交省の管轄だが、ツアーは東武が請け負っているのだそう。


江戸川


14時半の受付けで15時から見学開始。少し早く着いたので江戸川の堤防まで出てみる。川から横に引き込まれた水道の手前が放水口だ。

時間になったので管理棟に戻り受付を済ませる。3階で待機しながら、説明用の資料やミニチュア模型を見学する。


15時。地下神殿の見学に当たり、放水路の概略と見学時の注意事項についての説明が始まる。


中央操作室


ここ管理棟3階の中央操作室で施設の各箇所が常時監視されている。


実際に江戸川への放水が必要となるのは年間平均で7回程度で、いつでも対応できるよう定期的に試験運転など実施されているとのこと。ただ雨は地震などと違い、ある程度予測できるのが救いではある。



テレビドラマ「下町ロケット」の帝国重工のオペレータールームや「マイファミリー」の県警通信司令室のロケで使われたようだ。


首都圏外郭放水路のメカニズム


この地域は皿状の地形で過去より水害が起こりやすく、抜本的な治水対策として2,000億円の工費を掛け施工されたのだそう。


最大の物で直径30m、深さ70mの円筒状の立坑(たてこう)が5基あり、豪雨時には各立坑に水を流し込むことで近隣の川の決壊を防いでいる。5基の立坑はトンネルで巨大な調圧水槽に繋がっていて、立坑のキャパを超えると調圧水槽に水が流れ込み、それらは江戸川へと放水されるしくみになっているとの説明。


首都圏外郭放水路の模型



手前の3つの円筒が立坑、トンネルで繋がれているのが分かる。一番右にある第1立坑の上部に、隣接する調圧水槽に繋がる穴が開いていて、穴以上の水位になると調圧水槽へと水が溢れ出す。豪雨が去った後、水槽の水はポンプで吸い上げて江戸川に放水。ポンプは飛行機のジェットエンジンを利用して動かしているのだそう。



南北に流れるのが江戸川(地図上では上下)。オレンジのラインが立坑を繋ぐトンネルで全長6.3キロ、国道16号線の地下50mに設置されている。ライン上の丸印が立坑の場所で、江戸川すぐ横の第1立坑から西へ第5立坑へと連なる。


概略を理解したところで、外に出て地下神殿と第1立坑に向かう。ようやく実物を見学できるようだ。


地下神殿上のサッカー場


遠くに見える煉瓦色の建物が第1立坑で、手前のサッカー場の地下に調圧水槽が埋まっている。ちなみに地上は春日部市の管理だが、地下は国交省の管理になっているらしい。



地下神殿への入口。向こうに見えるのが先程までいた管理棟。神殿まで120段の階段を下りてゆく。


調圧水槽(地下神殿)


到着。地下の空間に巨大な柱が立ち並ぶ光景はまさに地下神殿だ。ここに水が溜まるのか。貯水量67万立法メートルと言われてもイメージが湧かない。



柱は全部で59本立てられていて、




1本の重さは500トン、高さは18m。これらの巨大な柱で水槽が浮き上がるのを防いでいるのだそう。




動画も撮影、



普段撮らない自分入りの記念写真まで。



説明にあった通り、第1立坑から水が流れ込むための穴が開いている。第1立坑の上部にこの穴があり、穴以上の水位になるとこちら神殿側に溢れ出してくる。後ほど第1立坑側からも再度確認できるとのこと。


地下神殿を後にし一旦地上に出る。続いて隣接する第1立坑を見学。


第1立坑入口


ヘルメットとハーネスを装着して立坑内に。



ここからあの階段で、地下神殿に流れ込む穴の高さまで降りてゆく。



前方に見える穴が先程神殿側から見た穴だ。あの高さまで水位が上がると、地下神殿に水が流れ込む。



穴と同じ高さに到着。地下神殿の柱が見える。



暗くて見え難いが、立坑の底(写真上部)に第2立坑に繋がるトンネルの穴が見える。


約2時間の見学ツアーが終了。とても貴重な非日常体験だった。


シールドマシン面板


トンネルを掘るシールドマシン先端の面板が記念に設置されている。



Tシャツも買ってしまった。