毒展@国立科学博物館 | 温室メロンの備忘録

温室メロンの備忘録

温室メロンの備忘録

国立西洋美術館から歩いて3分。

国立科学博物館


毒展


特別展は本館ではなく南側にある別館で開催されているようだ。


オオスズメバチ(約40倍)


いきなり巨大模型による出迎え。


ハブ(約30倍)


イラガ幼虫(約100倍)


全く想定外だが凄い混雑だ。これほど人気だとは思わなかった。列に入って順番に見学する気にもならず、比較的空いている植物系の毒を中心に見学することに。


マチン


ストリキニーネ(C22H22N2O2)の分子構造


ガチガチの縮環骨格の中に官能基と不斉点を持ったユニークな構造との説明。


最低致死量30〜120mg/kg。脊髄に作用し反射興奮性を高める。強直性痙攣、痙笑、筋肉の激痛、呼吸困難。呼吸麻痺で死に至る。なお心循環系や消化器系への影響は無いとのこと。



狩猟など矢毒として使用されたとある。


ツクバトリカブト


トリカブトに含まれるアコニチンの経口致死量は2-6mg/kg。ナトリウムチャネル解放により細胞の興奮状態が継続。口唇や四肢の痺れから嘔吐、痙攣、呼吸困難、心臓発作。呼吸中枢麻痺による呼吸困難で死に至るようだ。


アマッポ@アイヌ


こちらはアイヌの仕掛け矢の矢毒として。


トウゴマ


この棒が世界最古の証拠、下側の棒が毒の塗布器なのだそう。


リシン


経口致死量0.03mg/kg。これは桁違いの毒性だ。タンパク質の合成を停止させ、胃腸管からの出血、肝臓、脾臓、腎臓の壊死で死に至るとのこと。


鉱物系の毒もざっと見学。



方砒素華(ほうひそか) As2O3


亜砒酸 As(OH)3


動植物系の毒に対して分子量が小さい。致死量は100〜300mg/kg。細胞のエネルギー生産を阻害。嘔吐、下痢など消化器系の症状、意識障害、痙攣、脱力など神経系の症状、ショック、不整脈など神経系の症状。循環血液量が減少して死に至るとのこと。


これまで推理小説などで毒物名が記されていても気に留めていなかった。今回具体的な致死量や作用機序を学ぶことができた。


特別展のチケットで日本館や地球館の見学も出来るようだったが、時間がないので今日は止めておく。


シロナガスクジラ


本館の南側から入場したのだが、出たのは本館北側だった。