こども園からの帰り道。
近くのケーキ屋さんに寄って、ソラマメが好きな苺のショートケーキを買った。
ー２０２２年１０月２６日ー
１５時。
『美味しい？』
美味しそうに、ケーキを食べるソラマメ。
『オイシイー』
バクバクと、生クリームいっぱいのショートケーキを口いっぱいに頬張る。
その後、プラレールで元気に遊んでいた。
１８時。
元気だったソラマメの様子に変化が…。
ソファで少しグッタリとしていて、ご飯を食べたがらない。
ここ数日、ご飯をよく食べるようになっていたから、変だと思った。
『QOO飲む？』
大好きなQooのゼリー飲料を飲むか聞いても、イラナイと言い、何も口にしたくない様子。
体やオデコに触るとものすごく熱い。
熱を測ったら40度あった。
『４０度…？』
体温が異常に高い。
パジャマに着替えさせ、布団に寝かせた。
しばらく側にいて、ソラマメの体をポンポンとしていたら、そのまま寝た。
触ると、少し熱が下がった気がして。
『落ち着いたかな？』
と、この隙にお風呂に入ってしまおうと思ったらグズリ出した。
『ソラマメ？大丈夫だよー』
少しうなされている。ソラマメの頭を撫でてあげた。
仕事をしているダンナに、ソラマメの様子をラインで伝えた。
もう一度熱を測ると、やっぱり４０度ある。
顔やお腹など、体全部がものすごく熱い。
２０時。
ソラマメがしんどそうだったので、冷蔵庫にあった座薬(アセトアミノフェン100mg)を使った。
２１時。
ダンナが新しい座薬(こどもパブロン座薬、成分アセトアミノフェン)を仕事帰りに買ってきてくれたので、さらに追加で使った。(100mg追加。ソラマメの体重だと200mgでちょうど良い量みたい)
その後。
ソラマメの熱が下がり始め、うなされているのも落ち着いたので、ダンナに見ててもらいお風呂に入った。
ソラマメは、その間爆睡できていたよう。
お風呂後、布団に入り、ソラマメの様子を見守る。
ー２０２２年１０月２７日ー
日付が変わる頃。
０時。
ソラマメが起き上がり、いきなり四つん這いになった。
『オナカイタイ』
お腹が痛いとずっと訴えてくる。
『ウンチデル。イタイー』
そう言うので、お腹を下した時の痛みかな？と、お腹をさすってあげた。
結局出なかったけれど、すごくしんどそうで、なかなか眠れる気配がない。
『大丈夫？カカ側にいるからね？』
ずっとお腹をさすってあげていた。
そのうち落ち着いてきて、ソラマメはそのまま眠りに入った。
(心配で眠れない…)
でも落ち着いているから、明日の朝には熱も下がって治まっているかな？
過去に熱を出した時は、次の朝には治まっていた。
だから、今回もそうだろうと思った。
(たぶん、大丈夫かな？)
そして、いつものように、しばらくネットを徘徊していた。
(でも、寝れるうちに寝るか…。もしまたうなされ始めたら…)
そこから、なんとなくウトウトしてきて…。
深夜３時。
『……早く！』
その声で目が覚めた。
『早くして！』
あたしの声がする。
私…今…どっち？
あれ？…。
表？…裏？
『早く！ソラマメが死んじゃう！早く…早くして！』
え？…。
その言葉を聞いて、急に意識がはっきりとした。
あたしの取り乱す姿。
あたしの腕の中に、いつもと違う顔のソラマメがいる。
生気のない目。
この目…。
初めて見るソラマメの表情。
いや…。
初めてじゃない…。
え？…。あれ…？
この目……。
あ…。
この目……。
この目は…。
『あっ…』
そうだ…。
思い出した。
落ち着いて眠っていたと思ったソラマメ。
でも、急にガバっと起き、どこか一点を見つめ出した。
まるで、何かが見えているかのような感じ。
何もない壁をじっと見つめるソラマメ。
『ソラマメ…？』
その後、目線を動かし『何か』を目で追う。
『ソラマメ…？なんか見えてるの？どうしたの？』
返事はない。
『ソラマメ？…』
私の呼びかけに、一切反応しない。
目は開いているに、意識がない感じ。
私の体中がザワザワとする。
どこかおかしい、なんかおかしい、変だ変だと思いながらも、水分を摂らせたくて、ソラマメに麦茶を飲ませた。
『麦茶飲む？』
返事は一切ないけれど、コップに入れた麦茶を少しだけコキュっと飲ませた。
ゴクッと飲んだ後、ソラマメの様子が急変した。
『あっ…あっ…』
何か苦しそうになった。
『え…？ソラマメ！？』
慌てて、薄暗かった部屋の明かりを全開にした。
『ソラマメ？ソラマメ？』
ソラマメの目がおかしい。
見た事のない目。
ソラマメなのにソラマメじゃない顔。
目は見開いているのに、生気のない目。
口には泡が付いていた。
『え…え？なに…これ？』
口の中は、小さな細かい白い泡でいっぱいになっていた。
泡が、口の端から溢れている。
『やだ…なにこれ…？』
ソラマメの体が硬直し、手足が細かく痙攣を起こしていた。
泡が喉に詰まると危ないと思い、ソラマメの上半身を起こして抱き抱えた。
『ソラ…マメ…？……』
顔色が変わっていく。
呼吸ができているのかも分からない。
『あ…』
自分の心臓がバクバクと加速するのが分かった。
『ソラマメ？しっかりして！ソラマメ？』
ソラマメが死ぬ。
それしか頭に無くて、怖くて怖くて。
怖くて怖くて。
怖くて怖くて…。
怖くて…。
たぶん、そこであたしと交代した…。
長くなるので、また次回。
でわ、どろん！
＊ 空 ＊
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