訪問地 漢口の日本租界（Hànkǒu Rì zǔjiè）その５（完結編）
訪問日 ２０２２年６月１１日（土）
漢口の日本租界だが、１８９８年～１９４３年の間に武漢は漢口に置かれていた日本の租界地。日清戦争後、日本は中国の更なる権益の獲得に乗り出し、１８９８年清国と『漢口日本居留地取極書』を取り交わし、漢口の北側に租界を獲得した。
いろんな人が漢口の日本租界の内容を論文やブログにアップしているが、私なりにブログをアップしてみようと思う。
その５です。
では行ってみましょう！
おさらいです。場所を確認します
まず漢口の日本租界は湖北省武漢市にあった。俗に漢口と言われる場所にあったのだが、現在の行政区画では江岸区（Jiāng‘àn qū）になる。
更に地図を拡大する。赤線内が日本租界になる。点線の青線だが、中国建国後の長江の護岸工事で緑地が幅が広くなったようで、当時の日本租界の範囲が分からないことから青色の点線にした。
では出発です。
●郝夢齢路を東へと進みます。
漢口の日本租界めぐりの”その４”からの続き。中山大道を南下します。
＊ちなみに「漢口の日本租界めぐり・その４」はこちらから。
中山大道の南下中、道沿いに並ぶ長屋の店舗。一階は店舗、二階は観音開きの窓が見えるがどのようになっているのだろうか？？
店舗が並ぶ長屋の一階、一部はレンガが顔を覗かせている。
では”その５”のスタート地点の郝夢齢路（旧・燮昌小路？）が見えてきた。
●現・郝夢齢路－旧・燮昌小路？
中山大道と郝夢齢路の交差点だ。この道を奥へ進んでいく。尚、郝夢齢とは国民党軍の軍人の名前だ。
＊郝夢齢に関する中国の百度百科さんの説明だ。郝夢齢は日中戦争で殉死、遺体は武昌へ運ばれ葬式が執り行われた。
この通りは、ぱっと見、興味をそそられるような通りではなく、なんとなく無機質だ。
郝夢齢路沿いのマンション群の一つへ入ってみます。
この家の玄関には春聯が張られている。戸の真ん中には２０２２年の干支の虎の絵が張られている。
この③とかかれた建物へ上ってみます。尚、日本租界時代、この建物のあたりに喜楽という料亭があったそうだ。
建物の上層部に上がってきた。奥には高層ビルが見えるが武漢天地と言われる高級ショッピングエリアだ。では郝夢齢路へ戻ります。
郝夢齢路へと戻ってきた。やっぱりどことなく無機質な建物に感じてしまう。
郝夢齢路と長春街の交差点を過ぎたところだ。このグリーンのネットに覆われた建物の場所には、日本租界時代、妻鶴という料亭があったそうだ。この１ブロック次が勝利街（旧・大和街）に突き当たる。
郝夢齢路を歩くと勝利街に突き当たった。目の前には張鮮記という食堂が見える。
張鮮記という食堂のすぐ右側の小道だ。進んでみます。
日本租界時代の地図をみると長江大道まで続いているが、現在この道は途中で行き止まりだった。
●張自忠路を歩きます。
まずは勝利街と張自忠路の交差点を起点に沿江大道へと進みます（赤矢印）。
●現・張自忠路－旧・成忠街
では張自忠路を東へと進み沿江大道へ抜けていきます。尚、この看板の後ろの建物は武漢市永清派出所だ。日本租界時代、日本の警察署があったという。
長江がある沿江大道方向へと進みます。道の両端には路上駐車の車たち。
路上駐車…ではなくて、道挟んだ右の建物のあたりに日本租界時代はタマゴ会社があったという。
この通りの建物は新しいさが残ってる。
私のブログで『漢口の日本租界めぐ・その４』でみた謎の塔が気になっていた。
張自忠路沿いのマンションを上り塔の裏手へとやってきた。
マンション（不法侵入）を上がってきた、赤レンガの建物が見える。
アップで写真を撮ると、塔の奥には長江が見える。つまりは何かの監視台のような感じだ。
あとでわかったのだが、この塔は、日本租界時代からある建物だ。この場所には海軍陸戦隊という部隊が駐在していた。やはり見張り台ではなかろうか？？
＊中国の方がまとめたブログ。戦中から戦後にかけての写真らしいが、写真の上から４枚目に戦後に撮られた見張り台の写真がある。
尚、見張り台の反対側には武漢天地の高層ビルが見える。
マンションを降りて張自忠路へと戻ってきました。
ここのマンションも古そうですが、詳しい歴史はわかりません。引き返します。
●現・張自忠路－旧・成忠街を西へと進みます。
次に、勝利街との差点を起点に張自忠路を西へと進みます（赤矢印）。
勝利街と張自忠路の交差点だ。
では、張自忠路を西へと進みます。
少し進むと古びた建物がでてきた。
張自忠路と長春街の角にある八百屋さんのようなお店。
張自忠路沿いには古びた建物がある。このあたりだが、日本租界時代は中国人の住宅があったそうだ。
換気扇からはギットギトの油がこびり付いており、人が住んでいる証を感じる。
洗濯物が干してあったりして、古い建物にだれかが住んでいるようだ。
バイクの隣で猫ちゃんが休憩中。「こっちみるなよ」っていう感じでこちらを見ている。
張自忠路を西へと進み中山大道へとやってきました。ちなみに黄色の塗装の車は武漢市内を走るタクシー。武漢のタクシーは主にシトロエンだ。
●瀋陽路を西から東へと進みます。
中山大道を起点に瀋陽路（赤矢印）を東へと進みます。進むと勝利路へとぶつかる。
●現・瀋陽路－旧・北小路
瀋陽路を東へと進んでいきます。
奥に入母屋風の屋根の家が見えます。もしかしら日本租界時代の建物かなぁ？？
こちらにも古びたレンガ造りの家がある。日本租界時代の地図をみると、瀋陽路沿いには日本人の家が並んでいたようだ。
こちらにもレンガ造りの家が。私の記憶では、中国建国後に建てられたソ連式の建物だと記憶している。当時は最先端を行っている建物であったんだろうなぁ。
こちらにはコの字型の建物が。あたかも四合院を彷彿させるような感じだ。ガラス戸の枠が木製でありこの建物も古そうだ。
瀋陽路と長春路の交差点だ。瀋陽路はオレンジズボンを履いてチャリンコ漕いでいるおばちゃんの方向だ。
長春路を過ぎました。いったん後ろ振り返ります。先ほどのレンガ造りの建物が見えます。
こちらは瀋陽路沿いの建物。写真のおばあちゃんはこの建物に住んでいるのでしょうか？
また赤レンガの建物が見えてきました。こちらは”その３”で登場した勝利路３３７だ。奥には勝利路が見える。
＊ちなみに「漢口の日本租界めぐり・その３」はこちらから。
●山海関路を歩きます。
まずは、勝利路と山海関路の交差点を起点に東へ進みます（赤矢印）。
●現・山海関路－旧・山崎路
山海関路を東へ進んでいます。この写真の白い塀の内側は現在駐車場です。日本租界時代には明治小学校などがありました。
山海関路沿いにある洋館です。門が閉ざされており入ることができません。日本租界時代の日本総領事館の裏手にある建物です。
この洋館ですが三菱の”菱マーク”があります。どのような建物なのか調べましたが分からず仕舞です。尚、三菱商事は沿江大道沿いに倉庫を構えていたそうです。
●現・山海関路－旧・山崎路を西へ進みます。
次に、勝利街との交差点を起点に山海関路を西へと進みます（赤矢印）。
山海関路を西、つまりは中山大道の方向へと歩いていきます。
山海関路と長春路の交差点までやってきました。目の前のとんがり屋根は”その２”でも登場しました。
＊ちなみに「漢口の日本租界めぐり・その２」はこちらから。
とんがり屋根をみながら中山大道を目指します。
奥にバスが見えます。大通りである中山大道が見えました。
●武漢天地を歩く。
漢口の日本租界めぐりの最後は武漢天地。赤枠のエリアが武漢天地と言われるエリアだ。
●武漢天地
中山大道と芦溝橋路の交差点へとやってきた。道を渡って奥に見えるのが武漢天地だ。
武漢天地だが、日本租界の北側に位置し、昔は中原村と言われたそうだ。
この写真は武漢天地にある日本租界時代の建物。民国小学校住宅という建物を改装、お店へとなっている。
この建物の歴史はわからないが、武漢天地には日本租界時代の建物が１０棟あったが、そのうち８棟が補修・改築・移築が行われ現在の姿になっている。
この武漢天地は、武漢市内でも高級ショッピング街兼高級住宅地として有名なエリアでもある。
今回、漢口の日本租界をぐるーりと巡ってみた。昔の建物（約１００年間）を理由は何にせよ残してくれていることに感謝。
訪問から１年の時間を隔ててやっとこの”漢口の租界めぐり”は完結！
終わり！