先週、今年3月に世界中でニュースになったという、アメリカ・フロリダ州で起きた動物虐待事件の被告に判決が下りました。


犬を銃で撃ったうえ線路脇のポールに縛り付けて放置し、殺そうとした少年に懲役7ヶ月の判決が言い渡されました。


関連記事より翻訳してまとめました。



懲役7ヶ月と動物への接触禁止などの判決を受けた、主犯格のキャラウェイ被告(17)(The Tampa Tribune



被害に遭った2才のピットブルミックスの犬は、闘犬に関わっていたケニー・ベル被告(21)とダーネル・デヴリン被告(18)が飼育していたものでしたが、犬の性格が優しく闘犬に不向きだったため、ナトワン・キャラウェイ被告(17)とボビー・ホリンガー被告(17)に渡されました。


ところが、2人は犬を銃で複数回撃ち、さらに列車の線路脇のポールに縛り付けて放置しました。



主犯格のキャラウェイ被告は罪を認め、動物虐待・不法侵入・銃器の所持で懲役7ヶ月・4年間の保護観察・動物との接触禁止を言い渡されました。


判事はこう命じました。

動物との接触を一切禁じます。どんな動物であっても、たとえ魚であってもです」。


キャラウェイ被告は逮捕後から服役しており、すでに刑期満了が近く、釈放後は保護観察を受けることになります。また精神鑑定やカウンセリングを受けたり、GPSモニターの装着、50時間の社会奉仕活動や門限の厳守を課されるとともに、パートタイムの仕事も探さねばなりません



ケニー・ベル被告(21)は、犬の殺害未遂には直接関与していないものの、闘犬に関わった重罪と動物の遺棄罪で、4年間の保護観察・150時間の社会奉仕活動・保護観察期間中の動物の飼育禁止・犬の治療費1,000ドルの支払いを言い渡されました。


ダーネル・デヴリン被告(18)はベル被告と同様の罪で、4年間の保護観察・50時間の社会奉仕活動・精神鑑定と治療・動物の飼育禁止・銃器の所持禁止・アルコールおよび薬物の鑑定と治療が課されました。


ボビー・ホリンガー被告(17)は、不法侵入および動物の遺棄罪に問われたものの、少年として扱われたため詳細な記録は明らかにされませんでした。



幸い、犬は駆けつけた警察官に救助され、一命を取り留めました。


Tampa Police Department



救った警察官に「キャベラ」と名づけられた犬はすぐにタンパ・ベイの救急動物病院へ搬送され、そこで時間をかけて少しずつ傷を癒しました。


そして、元気を取り戻した彼女は近隣の人たちの人気者になりました。


以下の画像はTampa Bay Veterinary Emergency Service より。

















その後、キャベラは病院のスタッフの1人に引き取られ、家族の一員として愛されています。

引き取ったスタッフは、こう話しました。


「彼女はちょっと控えめな性格だけど、毎日事務所に来て多くの人たちと触れ合い、とてもオープンになったし、笑顔を見せるようになりました」。



このようにキャベラを救おうと必死で動いた人たちにとって、キャラウェイ被告の判決は不十分だと感じるでしょうが、彼女を引き取ったスタッフの言葉からは、この残酷な事件が社会を変えていってほしいという願いを感じ取ることができます。


「この事件が、動物虐待に対する人々の意識を高めることにつながってほしいですし、また法改正によってこのような虐待行為に対しさらなる厳罰が下されるようになることを願います。動物は単なる『物』ではないのですから」。



~記事まとめ以上~



<記事元>


JUSTICE: Teen Who Tied Cabela To Railroad Tracks Sentenced To Jail


Tampa teen pleads guilty, gets probation in Cabela dog abuse case


Tampa teenager pleads guilty in case of dog tied to railroad tracks



いずれの被告への判決も、処罰、精神状態の確認や治療、今後の観察など、様々な対応が取られているようです。


被害に遭ったキャベラちゃんが助かったのは本当に救いです。。



※今回のケースでは、主犯格の少年を含め3人が十代でしたが、いずれも実名報道され、私が読んだ記事では主犯格の少年については顔写真も公表されています。


アメリカは州によって「成人扱い」になる年齢が違い、また法律の規定も州によって異なるものの、報道の自由を重んじるアメリカは世論の後押しもあり、実名が掲載される傾向にあるそうです。


本記事では、今回のアメリカにおける動物虐待事件の概要とその判決をご紹介するもので、日本における少年法および実名報道の是非についての議論は控えたいと思います。



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