アメリカから、海外の貴重な情報を発信してくださっているMischaさんより、アメリカの事情に関する記事をご紹介します。



以下、Mischaさんから転載です。



犬の虐待で逮捕された男に60年の懲役刑


少し前に載せた「知らない男に子猫・子犬を渡す危険」 という記事の中ほど
に書いた子犬のDoeちゃん虐待事件で逮捕されたポーランド人の男の判決が
出ていました(まだ法廷での戦いは続いている様子ですが)。





写真はLife With Dog より

子犬のドゥイちゃんの虐待で逮捕されたポーランド人移民の男に、55年の懲役が
求刑された。保釈金は(約)5千万円で、これには500万ドル(約5億円)の保証人
(保証金?)条件がついている。

ちょっと私アメリカの司法に詳しくないのでうまく説明はできませんが、これは
日本の前例と比較して考えると、ものすごい極刑ですね。びっくりしました。
55年の算出は、Doeちゃんの虐待に対し11の動物虐待法が当てはまるため、
1つの罰の刑期が5年、それが11あるので55年になるそう。仮釈放が認められ
ないケースだと、この男が刑務所で一生を終わる可能性は非常に高いです。

また、これよりも後に出たニュース記事によると(こちら )11のはずが12に増え
ていて、合計60年の刑期となっています。12のうち一つは記事によると、
捜査を撹乱するような(うその証言とか?)行為があったため、それがカウント
されている様子。

追記:刑期が決まった経緯についてはリンク先に詳しく書かれています。また
先日こちらの記事 で説明したようにアメリカの法律は州によって違う為、これは
マサチューセッツ州の動物保護法に基づいた判例となります。
各州の動物保護法について調べられるサイトは
ASPCA State Animal Cruelty
マサチューセッツ州の場合
Animal Cruelty Laws in Massachusetts


この保釈金というのは、誰がこの男の為に払ってもよいそう。ただその文の後にくっついている500万ドルのSuretyという意味は、うちの夫に聞いてみたんですが、よく分からないそうです。ちなみにSuretyというのは借金でいう連帯保証人みたいな意味があります。

しかし保釈金の5千万円はアメリカ人の夫から見てもかなり高い金額だそうで、この事件をマサチューセッツ州がいかに重く受け止めたかが分かります。Doeちゃんの死を無駄にはしないという市民や愛犬家たちの運動により、ここまで判決を厳しいものにする事ができたそうで、擁護団体も納得の結果になったようです。





法廷でDoeちゃんの受けた虐待が詳しく読み上げられると、声を出してすすり泣く人達。男は数カ月にわたってDoeちゃんに「中世時代の拷問」を繰り返していた。残酷すぎるので詳しい描写は避けます。。。






このDoeちゃんが、いかにしてこの悪魔に渡ってしまったのか?
DoeちゃんはCraigslist(「売ります、あげます」みたいなサイト)を通して、
飼い主の女性がある女性に無料で譲渡し、その女性がさらにあるカップルに譲渡した。そのカップルが最終的にDoeちゃんを売った相手がこの男。
DoeちゃんをCraigslistに載せた元々の飼い主は罪悪感に苦しんでいるとの事
です・・・。

アメリカでも、病気や失業、引っ越しでやむを得ずペットを手放す人達が、無料で他人に譲るため活用しているCraigslist。この事件をきっかけに、サイトには
動物を載せないようにという署名運動が起こっています。

なぜ犬1匹の虐待犯(Doeちゃんは獣医によって人道的配慮のもと安楽死されているので、男は殺していない)がここまで厳しい刑を受けるのか、地元の警察によって説明されています。

From the beginning, we’ve been concerned that if an individual could do
this to a dog or another animal [what could they do to a person?]
This made this an extremely important case to us.”

この男が犬でも他の動物にでもこんな事ができるなら、
人間に対してだってやるであろう。
それを考慮すると、これは著しく重要な事件である。




~転載以上~




犬1匹の虐待犯に懲役60年!保釈金5千万円!


「仮釈放が認められないケースだと、この男が刑務所で一生を終わる可能性は非常に高い」!


日本との差、歴然です。。びっくりしました。

アメリカも地域によっていろいろで、州で法律などが違うそうですが、やっぱり日本よりもだいぶ進んでいますね。


最後の地元警察の説明にも納得!日本は、動物たちの命が人と比べてあまりにも軽視されていることに加えて、動物虐待から殺人へとエスカレートするケースは多々あるにもかかわらず、その危険性を全くと言っていいほど考慮していないように感じます。



過去の凶悪犯罪と動物虐待との関連性などについて、過去記事


動物虐待について思うこと少し





Mischaさんより、次のケースを転載いたします。



車中に2時間犬を置き忘れた罪で捕まる


去年の初夏(6月中旬ころ)のこと。
いつも行くスーパーの駐車場に止めてあった車の中で、
2匹の犬がワンワン吠えていました。手を入れることが
出来ない程度のすきまから犬達が必死に飼い主の戻り
を待って吠えています。
そこへパトロール中の警官がきて、犬の鳴き声に気がつく
と、車から降りて止めてある車を調べ始めた。。。

きた、きた、きたぁ~(私の心の声)
ナンバーを書きとめられるかな?と思ったんですが、
その日は涼しかったこともあって(多分23~25°くらい)
警官は一回り車の中を見ただけで立ち去りました。
これ、外の気温が27か28度を超えてたら、注意または
罰金刑にまでなっていたと思います。

さて、所変わって、車中に犬を置いていた為実際に警察
が動いた例。

車中に残した犬が熱中症で死亡、飼い主送検



ニュースソースはこちら

要約
メリーランド州アナポリスのモールに、15歳のヨークシャー
テリア(雌)を車中に置いて買い物へ出た女。
2時間経過して、犬を置いてきた事を思い出し、急いで
戻ると犬はすでにぐったりしていた。

慌ててPetco(大手ペットショップチェーン店)に犬を
連れていき緊急手当てを頼む。
事情を聞いた店員が警察に通報。
警官が来た時点で犬が瀕死の状態だったため、犬の
保護権は飼い主から警察へ移り
、地元のアニマル・
コントロールに連絡、職員が現場へかけつける。

犬はER動物病院へ運ばれたが、熱中症がひどく多機能不全。
獣医の人道的配慮により、安楽死が検討され、実施された。

死後、犬の遺体の保有権はアニマルコントロールへと
うつり、
検死解剖にまわされる。

この日の気温は華氏88,8°(摂氏31.6°)

この女性の場合、軽犯罪の域に留まり、90日以下の拘留
または千ドル(約十万円)以下の罰金、もしくはその両方の
刑が予想される(法廷で決まる)とのこと。
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ニュースの内容からして、女性に悪意はなかった
のが分かりますが、これで名前も顔写真も公表になる
んですから、厳しいですね~!
しかも、犬を熱中症に至らしめた時点で、犬の所有権が
飼い主から奪われてしまうというのが驚きです。

アメリカは、あらゆる動物において愛護先進国という
わけでもないのですが、動物虐待法は年々進歩して
いっています。日本の法改正に少しでも海外の事例が
役立てばと思います。

さて、こちらはオマケ映像。
タイトルは、
この女の子たちがしようとしている事は、あなたが
思うようなことではないのだ。

こちらへ

私のフェイスブックでこの時期、「車にペットを残すな」
という警報があちこちの動物愛護団体でまわっています。
このビデオの少女と「私も同じ事をする」とコメントする人達
の多さに驚いている私なのです。




~転載以上~




暑い日に車中にペットを置き去りにするのは絶対いけないことですが、悪意のない過失であっても、飼い主の名前・顔写真が公表されるアメリカ。



日本でも、ZIP!のマスコット犬、ジッペイとその兄弟犬あわせて7匹が、エアコンの切れた車内で熱中症により亡くなった事故がありましたが…


http://matome.naver.jp/odai/2134455471876040501


私が知る限り、この飼い主の顔や氏名が公表されたり、罪に問われたりといったことはなかったと思います。




アメリカは州によって動物愛護法が違うそうですが、「動物虐待」は50州全州で「重罪」となったそうです。





Mischaさんのこちらの記事も併せてどうぞ!


犬の口にガムテープで放置の飼い主逮捕





アメリカの事件と、過去に日本で起こった、残虐性の高い動物虐待事件の判決とを比べると、いかに日本が遅れているかを痛感します。。


2002年に起きた福岡猫虐待事件は、懲役6か月・執行猶予3年の判決でした。

しかも、「男の個人情報が不特定多数によって公開されたことなどにより、すでに社会的制裁を受けたとして、減刑措置がとられた」そうです。


また、2011年に起き、保護猫15匹が殺害された川崎市 里親詐欺・猫大量虐待事件は、懲役3年・執行猶予5年・保護観察付きという判決でした。



両事件についてまとめ記事

以下のリンクは、一部虐待の描写を含みますのでご注意ください)


福岡猫虐待事件(こげんた事件)とは【松原潤】

川崎市猫里親詐欺事件まとめ

川崎市麻生区猫里親詐欺・虐待殺害事件まとめ




いずれも、極めて残虐性の高い事件であるにもかかわらず、軽い判決で、より厳罰を求める署名も起きました。



でも、アメリカのDoeちゃん事件、そして福岡と川崎の事件に共通しているのは、いずれも多くの市民が逮捕・厳罰を求める声を上げたことで、逮捕に至ったり、厳しい判決にできたということ!


福岡の事件では、「市民より同県警へと逮捕を求める嘆願書が殺到したことにより(最終的に実刑を求める嘆願書と併せ3,000通を超えたという)、福岡県警側は書類送検から急遽対応を改め、同男性は逮捕された」。


川崎の事件でも、動物愛護法違反で逮捕の後、「動物愛護団体の人たちが中心となり、広瀬被告に厳罰を求める署名を横浜地検川崎支部に提出。署名は全国から三千筆以上に上った。動物愛護法違反だけでは軽すぎると、詐欺罪の適用も申し入れた。

 「詐欺罪適用は無理」と冷ややかだった検察庁も、署名の多さなどで態度を急変。「社会的な反響が大きい」と、詐欺罪での起訴を決めた。
」とのことです。



事情聴取を受けているとの一報の後、いまだ「捜査中」の長野・猫溺殺事件。

このような男を野放しにしてはいけません。このような人間が近所に住んでいたらと思うと…恐ろしいです。あらゆる命にとって、危険な存在です。


署名集めの件について、警察の方が「迷惑そう」だったというお話もありますが…理不尽に命を奪われた猫ちゃんのために、新たな犠牲を増やさないために、このままうやむやにならないよう、声を上げていきたいです。