先日、餃子とラーメンへの支出の順位が発表された。餃子で1位だったのは宮崎だとかで、インタビューされた地元の人は揃って「嬉しいです!」と笑顔だった。
ところでこの順位は何を基準にして出されたものがご存じだろうか。私も大雑把なことしか知らなかったので改めて調べてみた。
「統計法に基づく基幹統計【家計統計】を作成するために、国民生活における家計収支の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供するための調査」(抜粋)
「なるほど、そういうことか」と納得。ところがメディアの報道を見ていると、総務省の意図していることとは解離し、どこが一位かと大はしゃぎ。
事象をランキング化することは、価値の単一化を助長する。これは私の知る限り世のコモンセンス。なのになぜメディアは「価値の多様化が進まない」と嘆く一方で、このようなことをするのか。
このブログを始めてそう時間の経っていない時、「住みたい街」「本当に住みたい街」「住みやすい街」・・・ランキング」や「都道府県魅力度ランキング」を通じて、ランキングすることの愚かしさを書いた。
ちなみに2位、3位に甘んじた?かつてトップだった宇都宮と浜松の人達の声は「来年は1位に返り咲きたい」「がっかりした」など。
これも不思議だ。自分がもしその質問を受けたら、「餃子をたくさん食べていると何がいいと思って質問しているのですか。そんなことはどうでもいいです」と答える。該当する市民の中にも一人や二人、同様の回答をした人がいただろうに、なぜこれらの意見はただの一度も聞いたことがないのか。
結局、自分達の意図にそぐわない声を取り扱わないのだ。まあ、どうでもいい餃子やラーメンの支出の多少を面白おかしく伝えられる輩なので、この程度の情報コントロールは何とも思わないのだろう。