かつての隆盛が汐が退くように去り、ひなびた昭和の雰囲気が好みの高砂の街。
七五三の横断幕が吊られているので11月の訪問。
雨の降る中をやって来たのは3か月ぶりの散髪のため。
境内の樹木はクロマツがほとんどです。
謡曲「高砂」の松の化身の老翁・媼に因んでということもあるのでしょうが、海岸線に近いので塩害に強いクロマツが残ったのでしょう。クスノキも目立ちますが老クロマツが圧倒的です。
境内の白砂は毎朝、がんじきで掃いてあるので足跡を付けるのが憚られます。
コロナ禍では取り去られていた鈴縄も吊り下げられ…安定の神社の風景。
高砂神社隣にあるレンガ造りの工場。
珍しく鉄扉が開いていました。
老店主86歳が守る理髪店。
辺鄙な街のサインポールがキィキィ鳴って回っているような理髪店に飛び込みで入ってみるのが好きです。
お化け屋敷のスリルといってはそれともちょっと違うような、何度か前を歩いて外から中を様子を窺い、意を決してドアを開けて入ってみる。
すると店主がギョッとするようにこちらを見る。店主も客が来る当てもないけれど、取り敢えず店は開けているといった状態の店。
そんな店主に世間話しをしながら、地元町人ならではの町の情報やかつての歴史を伺ってみるのがちょっとした昔話を聴いている面白さです。
髪型にはこだわりが無いので、「髪の毛が立つか立たないかくらいの長さで…」と短めのオーダーをするのは、安くはない散髪代、3か月に一度くらいの散髪の頻度でよいとしているからです。
この店には2度目の訪問で、前回は老店主と話しが弾んで、「また来ます」と言ったので約束を守るべく来たからでした。