完成披露式典。
高速・高高度偵察のために限界近くまで軽量化したため、フレームは脆弱で急旋回すると空中分解するおそれがあったとか。
重量を増す武装は積まず、高速で逃げ切ることで身を守り偵察情報を持って生還する。
房総半島から長躯 硫黄島のB29の動向を探りに行き、戻って来た時にはあまりの過酷さに搭乗員は疲労困憊で自力で機外に出られなかったり、失神することもあったたとか。
極寒の高空では、飛行服には防寒のために外部プラグ式の電熱ヒーターを内蔵していたと三木市文化博物館の展示で知りました。
垂直尾翼デカールは菊水紋の独立飛行第16中隊。
もう一種類のデカールは「振武隊」すなわち特攻機。尾翼のぶっち交いドクロマーキングは魅力的でしたが、特攻機は作りたくないので。
他の戦闘機では、空気の薄い高高度へとても上昇出来ない中、その能力を買われ、役に立つことも無かった斜め銃を備えたり三式弾を抱えてB29要撃に向かうも次々に喪失…
脆弱な偵察機を戦闘任務に差し向けた、勝敗の決した終局での窮余の策では切り札にはならず。
満足な物資も工業力も乏しく、陸軍の過大な要求に応じるために造られた中で誕生したスマートなラインの航空機です。
性能を高めるために搭乗員の安全保護は二の次…というのは旧軍の悪しき思想。
空力を追求し、用途に応える設計で残ったラインはシンプルに美しくなっていく…グライダーのような機首は新しいようで自然界の秘密に迫ったデザイン。
連合軍からは、手の届かない高空で偵察するこの機には「通り魔」「ノゾキ屋」と蔑称で呼ばれ、この機が現れると、近い内に日本軍の組織的作戦があると予想されたそうです。隠密の意味が無い…
側面日の丸のデカールがヨレています。
円が巧くカット出来るスキルがあれば塗装に換えたいですが…
左奥 飛燕、右 景雲も友情出演。
劣化デカールに泣かされた異形の景雲より、デカール保護リキッドを事前に塗ったお蔭で、百式は幾分かデカール崩壊はマシでしたが…
スタイルに惹かれて作るケースが多いですが、作る中で誕生の経緯、設計思想、時代背景等の資料に触れることで戦争の悲惨さや歴史を知ることになります。
一時、軍艦プラモにハマったことがありましたが、史実を知るほどに気が滅入ったり、作っていると怒りの感情が沸いてくるので精神衛生上悪いので止めました。
水木しげる大先生が、戦記物を描くとやり場の無い怒りの感情が沸き出すのは、きっと死んでいった仲間の無念の気持ちがそうさせるのであろう…とエッセイに書かれておられました。