感謝!感激! | ももせ皮膚科のよもやま

ももせ皮膚科のよもやま

ふつうの皮膚科医です。
日常や皮膚病について書いていこうと思います。
皆様の日常にちょこっとでもお役立て頂けると嬉しいです。
ホームページもご覧になって下さい。
https://www.momose-hifuka.com/

これをこのブログに上げてよいものが散々迷いましたが、あまりにも印象的な出来事だったのでご報告します。

決してお礼の要求とか、特定の患者さんを優遇するものではありません。どうかご理解を頂きたいと思います。

 

一度受診された方はご存知だと思いますが、私のキャラは塩対応で感情をあまり面出さずに淡々と診察するタイプです。

 

それでは本題。一昨日の水曜日にようやくようやく治って診察を終えた方がいました。その方が夕方になってわざわざお礼の差し入れを持ってきて下さりました。

このイラストの猫には深い意味があります。

この方、正確にはご夫婦で、最初は奥様、治ったと思ったら今度は旦那様が、全く同じケガで来られました。飼っている猫ちゃんに噛まれて感染を起こしたのです。

 

そして、お二方ともに、まず、それぞれの初診で全く同じお説教をしたと記憶しています。奥様は全くの初めてだったのでしょうがないとしても、それをご存知のはずの旦那様も同じお説教をするとは、お二人ともそっくりというか、懲りないというか、今思い出せばクスッと笑えますが、その時は真剣だったのでかなりイラっとしました。

 

猫ちゃんに噛まれてしまったのはしょうがないです。痛くてまともに歩けないのに、仕事が〜、この日は〜来られないと。そんなこと言っている場合ではない、安静にしてください、下手すると足が無くなりますよ、と強くお話し。それでもどうしても仕事がお休みできずに数日頑張って、結局本当に動けなくなり、足もさらにパンパンになってからようやく安静をとっていただけました。というのを奥様のみならず、全く同じことを旦那様も繰り返したのです。

 

なので、治るまでにお二人ともにかなりの時間がかかり、炎症も強かったので、途中、大学病院でお願いすべきか悩みました。それでも地道に当院での治療にお付き合い下さり、最終的には治りました。

 

あんなに説教しまくったのでさぞかし嫌われていると思っていたのですが、ケーキとともに感謝の手紙が添えられ、診療終了後の静かなクリニックで泣きそうでした。何度も何度も読み返してしまいました。

 

こんな私のことを、こんなにも信頼してくださったことに心より心より感謝しました。医者冥利につきる出来事でした。