圧迫した傷、放置すべからず | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

こんにちは。

 

もものマークのクリニック 院長てしまですニコニコ

 

 

8/22に包丁で切った私の右手中指。

下矢印こちらの記事のようにしっかり止血した後

 

自宅にあった不織布のテープを適当な大きさに切り、傷口に圧迫をかけるように数本貼り付けました。

 

指先は、下矢印こんな感じのU字型に切れていたので(写真は今日の指にボールペンで傷を再現したもの)。


ここがぱくぱく動かないよう、元居た場所に戻す感じにテープを貼りました


 

「ほら、キミの居場所はここだよ。おとなしくしてたら3日くらいでくっつくから...怖くない、ね、怖くない.....。」


とナウシカがキツネリスを宥めるイメージ笑い泣き

 

不織布のテープだけだとさすがにガードが薄くて心配だったのと、そもそも料理中だったので続きの作業に取り掛かりたい思惑もあり


テープの上からハイドロコロイドシールも使って指先全体を保護しました。

 

ケガをした指先はじんじんとうずくものの、手も洗えれば作業も可能な状態となり

 

「やっぱり家で治療できるって便利ィ~デレデレ

 

とご機嫌でした。この時は。

 

翌月曜日は仕事。しかし前日の保護がかなりうまいこといっており、少々かさばって違和感があるのと、キーボードたたくとさすがに痛みがあるくらいで、問題なく勤務も完了。

 

しかし、夕方に仕事を終えたあたりから、何とも言えないジンジンとした痛みが患部に湧いてきました。


痛みがあるのは指先のみ。


汚染の少ない傷なので、感染するには少しタイミングが早すぎる気がする。

それにしても痛みはかなり強い。

 

おそらく受診した患者さんがこのように訴えたなら、保護剤を慎重に全部外して創部を確認したと思います。

 

が、相手は自分の指。


すでに帰宅してしまい、職場に比べると道具は不十分。

手伝ってくれる優秀な看護師もいない。

 

「これでテープを全部取るの、なかなか骨だよね.....」

 

と億劫さが痛みを上回ってしまい、結局、手持ちのロキソニン飲んで痛みをごまかしてしまいました。

 

 

翌日


指の痛みは若干和らぎ、鎮痛剤も不要。


やはり感染ではなかったらしい、と安心しつつ、それでも前日夜の尋常ではない様子が気になり、その日からは保護剤を外して毎日処置するようにしました。

 

そして、ケガをしてから1週間後の日曜日。

 

縫合する代わりのテープも外して患部を見てみると



切ったところはきれいにくっついている様子キラキラ



 

しかし


切ったところの横に、触ってもしびれたような感覚で、色も変に赤いエリアが....


よく見ると、水疱っぽい....

 

その時

 

あ、やってもうたゲロー

 

と気が付きました。

 

この赤みと水疱は『阻血性障害』で生じた傷です。


つまりは『圧迫のし過ぎで組織に血が行かなくなり、皮膚が部分的に壊死した状態』。

 

指先の切り傷からの出血を防ぐため不織布テープを強く留め過ぎたことが原因なのですが


一番の敗因は

 

受傷翌日夜、激しく痛んだときに、テープを取って患部を確認しなかったこと。

 

あの強い痛みは、組織の

「酸欠!!苦しい―――――ッ!!!ゲッソリ

という悲鳴だったのです。

 

おそらくあそこで圧迫を取り除いていれば、血流が再開して、水疱は免れていたかもしれません。

 

ジンジンと痺れたように痛む水疱を見ながら猛省した私でしたえーん

 

幸いその後、水疱になった部分の傷もふさがり


 

当初切った指先についてはよく見ないと分からないレベルまで回復。



 

絆創膏無しの生活は、当然ですが快適ですデレデレ

 

 

今回の失敗体験を経て

 

しっかり圧迫した翌日は、観察が必須

 

という基本に立ち返ることの大切さが身に沁みました。

 

いやもうマジで、気を付けたい。

 

 

患者さんも医者から

「処置の翌日、見せに来てくださいね」

と言われたときには


内心

「めんどくさいなー」

と感じても従っておいたほうが無難です。

 

こんな場合も、あるってことで....滝汗

 

 



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下矢印こちらの記事もご覧ください