こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
今年の3月4月は例年にも増してピアス穴あけをご希望の患者さんが多い春でした。
1日3人という日も何回か。
こんな記事にも書いた理由で、いったんお引き取りいただいた新入生さんも
改めて穴あけのために受診してくださったり(なんて義理堅い....)。
ぶっちゃけピアスは、ドラッグストアやドンキで片耳1000円前後のピアッサーを買って
がっちゃんこ
とすれば誰でも開けられるわけですから
わざわざ診察料その他もろもろのお金を出し
病院で開けようとする時点でかなり
意識高い系
です。
『どうせ開けるなら、できるだけ安全に、安心して開けたい』
そんな患者さんの期待に応えるべく、素材もいいものを使わなきゃと思うし
せっかくうちのクリニックで開けるからには
その後のピアスライフをできるだけ快適に送って欲しいなあと願います。
そのぶん、開ける前の確認やら開けた後の注意やらを
いろいろ口うるさくやらせて貰っているほうじゃないかと思うので、
面倒でも、お付き合いいただけると嬉しいです
私がピアスの穴あけに使うのは
ピアスガン
という器具で、まさに
銃
のような見た目をしています。
過去に市販のピアッサーを、消費者として使ったことのある経験から思い起こすと
あれって割合ゆっくりとした
がっ ちゃん こ
という使用感じゃないですか?
ぶっ つり
と、耳をロースピードで貫かれる感触が
結構ぞわっときたことを、かすかに覚えています。
今でもそうなのかしら。
これに対して、うちのクリニックで使っているピアスガンは
ピアスを入れるときの感じがかなり
電光石火
です。
刺さる
というよりは
撃たれる
というイメージ。まさにピアスガン。
私のいつものパターンは
耳たぶに、希望の穴の位置をマーキングし
耳たぶを挟んで
「はい、1、2、3
バン!!!!」
で、患者さんの反応は
「あ、思ったよりいたくな、、、、、うっ、やっぱりジワーンと痛い、、、、かも、、、、、」
というパターンが多いです。
入るときは一瞬でも、やっぱり痛みゼロは難しいですね。
たまーに、ごく、たまーに
「ぜんぜん痛くなかった!」
と喜んでいる患者さんがいらっしゃるので
耳たぶにはひょっとするとヒミツの無痛点があるのかもしれませんが
北斗神拳の使い手でもなんでもない私は
そのような秘孔を見つける特殊技能がありませんので
痛みゼロは不可能な点、ご理解とご協力をお願いいたします。
そうそう、市販のピアッサーの話に戻りますが
ピアスのヘッドのサイズが3㎜以下の、結構小さいものもあるようですね。
諸所の事情で目立たないほうがありがたい、という人には重宝なのかもしれませんが
個人的には
3㎜以下って、ちょっと小さすぎなくない?
という気がいたします。
ピアスのヘッドが小さいと、耳たぶの表面と接する面積も小さくなるので
耳を下にして寝たりした時、ピアス部分にかかる圧が分散されず
ピンポイントで強く圧迫される気がします。
すると
ピアスが耳たぶに食い込んで、皮膚が傷つきやすくなる
↓
傷がつくとそこから耳たぶが腫れてくる
↓
ヘッドが小さいと、腫れた耳たぶにピアスが埋まってしまう
という
なかなかにホラーな展開になってしまうことがあります。
↓ピアスが埋まった例
↓裏面のキャッチと軸は出ています(これは穴あけ用ではなく、市販のアクセサリーピアス)
実際、
朝起きたらピアスの石が消えていた
という「消えたピアス事件」を主訴にうちのクリニックを受診する患者さんは
1~2年に1人くらいの頻度でいらっしゃいますが
軒並み、ピアスのヘッドは小さめです。
(よくこんなの埋まったなーーーー!!ってサイズのひともいますが、かなり例外的)
なので
自分でピアッサーを買って穴を開けよう、って勇気のあるひとは
開けた後、こういうこともある、と覚えておくと、必要以上に焦らずに済むかもしれません。
いや、焦るか、やっぱり。
まあ、困った時には、病院で相談すれば良いんじゃないかと思います。
ただし「耳のことだから耳鼻科」と思って耳鼻科の門を叩いても
耳鼻科の先生困っちゃうかもしれないので
ピアッシングもしている皮膚科か形成外科がよろしいのではないでしょうか。
以上、町医者形成外科院長からのアドバイスでした