スマホの充電ケーブルから発火? | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

 

こんにちは。

 

もものマークのクリニック 院長てしまですもも

 

 

今年の診療が始まって間もないころ

 

「手のひらのやけど」

 

の赤ちゃんがお母さんに連れられて受診しました。

 

 

リビングで、赤ちゃんが急にわっと泣き出したのに気づいたお母さんが

急いで隣の部屋から駆けつけてみると

 

部屋が焦げ臭い!

 

臭いの強いあたりで、床に敷いてあったホットカーペットのカバーをめくってみると、そこには、


先端の端子が融けて焦げ付いた、スマホの充電ケーブルが。


患者さんからシェアしてもらった画像

 

充電ケーブルは壁のコンセントにつながったままで、

たまたま、ホットカーペットの本体(下敷き部分)とカバーの間に挟まっていたようです。

 

ホットカーペットはというと、端子の当たっていたところに一致して、明らかに焼け焦げ。


こちらも患者さん撮影



カバーの表面に焦げはなく、外からパッと見た時には気が付かなかったそうです。

 

泣いている赤ちゃんの手のひらを見ると赤くなっており、その中央部が3㎜ほど白っぽく変色していました。


てしまクリニックで撮影(初診時)

 

「やけどをしたのかもしれない。」と思ったお母さんは、赤ちゃんを連れてうちのクリニックを受診。

 

私が診察をする頃にはすでに泣き止んでおり、触れてもそこまで痛がることはなく、

『手掌の第2度熱傷』と診断しました。

 

幸い範囲も小さく、話を聞く限り、熱源への暴露時間も短かった様子。

おそらく跡はほとんど残らずに、1週間程度で治る見込みですとお話すると、お母さんはようやくホッとした表情になりました。

 

 

私「それにしても、怖いですね、充電ケーブル。」

 

お母さん「はい....。家にいて、すぐに気が付いたからまだよかったけれど、なんで発火したのかもわからないし。ましてや、留守中にこれが起きていたらと思うと......。」

 

確かに、怖すぎる。

 

 

ホットカーペットカバーと本体の間に挟まれたケーブル端子が、徐々に高温になって焦げだしたのか....?

 

それだと、もう少しじわじわと焦げ臭くなるような気がするし、赤ちゃんがやけどするくらいの高温であれば、カバーの表面もある一定の面積で焦げていそうだしなあ....。

 

 

もしくは、ハイハイしてきた赤ちゃんが、たまたま、端子が挟まれているところに上から手をついてしまい、ショートしたのか??

 

 

詳細不明のこととはいえ、世の中のどこかで、同じような危険に遭遇する人がいないとも限らない。

 

どうせなら、今回の事案をきちんとどこかに報告したほうがよかろう、と思った私は

 

親御さんの承諾を得て、消費者センターに連絡することにいたしました。

 

 

 

消費者センターに連絡するのは、自分にとってはじめての体験。

 

「知らないときのGoogle先生」にお伺いを立てると『国民生活センター』のトップページに誘導されました。

 

そこで見つけたのが

 


 

おお!

 

「医師からの事故情報受付窓口」!!

 

超ビンゴ!!!

 

 

ってなわけで、事故報告は思いのほかシンプルに行うことができたのでした。

 

きっと「医師からの事故情報」ってだけでも毎日山ほど寄せられるのだろうけれど

同じような案件が複数あれば、センターの目にも留まるかもしれない。

 

そこから、医師だけでなく一般の消費者からの同じような連絡にも目が向くかもしれない。

 

まずは、小さい一石であっても投じておこう。

 

そんな風に思いました。

 

 

ちなみに、赤ちゃんのやけどは、10日と要さず湿潤治療で順調に治りました。

 

親御さんも心配でしたね。お疲れさまでした。