陥入爪になったら④ 爪の形を直すには【その2】 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

 

 

こんにちは。

 

もものマークのクリニック 院長てしまですもも

 

 

のんびりペースで続けております、爪のおはなしの続き。

 

 

爪が肉に食い込んで痛くなる

「陥入爪(かんにゅうそう)」

 

 

その悪化要因のひとつが「爪自体の形」。

 

てしまが独断と経験で選ぶ

「陥入爪を悪化させる爪の形」

次の3パターン。

 

その1 「棘」になっている爪

 

その2 横幅の広い爪

 

その3 横方向に巻いている爪

 

 

本日取り上げるのは

 

その2 横幅の広い爪の治療法。

 

 

横幅が広い、っつっても

「指の幅に対する爪の幅が○%以上」

 

という風な

厳密な基準があるわけではありません。

かなり、私の主観的な意見なので

 

「そんなテキトーな!!」

と思う方はこの記事スルーでお願いします。

 

 

足指に対して爪の横幅が広い場合

ほんの少し深爪をしただけでも

靴や、隣の指からの圧迫で

爪の両端が肉に食い込みやすくなります。

 

また、深爪をしていなくても

爪の両端のみホッチキス状に爪が曲がってしまうケースが

多いように思います。

 

ホッチキス状、っていうのは

指先側から見た形が

こんな感じの爪下矢印



 

このような場合は、少し爪の幅を狭くすることで

陥入爪が再発しづらくなるように感じています。

 

爪の幅を狭くするために、私が選択している治療法は

 

「フェノール法」

という保険でできる陥入爪手術です。

 

指の根元に注射し、指全体を麻酔してから

食い込んでしまう側の爪を縦方向に端から数ミリ

ハサミで切り、部分的に抜爪します。

 

抜爪した根元には、爪を生やすための細胞があり、

これを「フェノール」という薬品で焼灼することで

ここの部分の爪が生えてこないようにするのです。

 

フェノールで焼いた部分はいわば

「化学熱傷」

の状態なので

1か月くらいは浸出液がじわじわと出続けますが

最終的にはふさがり、汁も無くなります。

 

爪の横幅は狭くなるものの、

もともと食い込んでいた部分であることがほとんどなので

見た目に

「うわー、爪、狭くなった!!」

という感じなることはありません。



もちろん、抜爪する部分を余計に取りすぎたり

フェノールで過剰に焼いたりすると

必要以上に爪の幅が狭くなってしまう危険があるので


その辺り、手術する医者のセンスは問われますが(^_^;)


爪の幅を狭くするのが目的の手術の中では


手技のシンプルさも術後の痛み具合も


比較的、結果にブレの少ない治療法なのではと思います。



手術は、保険の自己負担が3割の方で

約8000円ほど。


小さい皮膚のおできを取る手術よりも、チョイ安。



陥入爪の炎症を抑えるための


あんな努力

こんな努力も頑張ったけど


ダメだったわ笑い泣き


という患者さんに対しては

考えて良い治療だと私は思います。




もちろん、手術が問題なく成功したからといって


 

もも圧迫の強い靴を避ける

もも深爪厳禁

 

 という


陥入爪予防の鉄則


を守らなければ


せっかくの手術も水の泡なので


その辺りの患者指導はやはり重要なのです。

 

そして、陥入爪になるひとって、

やっぱりなかなか守れないんだなこれが.....(白目)

 

 

さて、次回取り上げる爪の形は

 

その3 横方向に巻いている爪

 


いわゆる「巻き爪」ってやつですね。


また、ゆるりとアップ予定です。



 

 

 

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