こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
しつこくアピールしますが
私、形成外科医です。
なので、皮膚科の分野で何か突出して深い知識を有する分野、ってのはありません。
もちろん、日常診療で患者さんのお役に立てるだけの知識と技術はタシナミとして備えておりますが
(でなきゃ仕事になんねえ)
日々の診療の中で患者さんから学ばせて頂くこともたくさんある訳です。
最近もこんなことがありました。
ビジネスマン的な風格漂う50代の男性。
しかし、頭から顔から手から、見えてるところだけでも赤く腫れたボツボツがたくさん。
虫刺され……に、見えるけど。
にしても派手である。
昨日から出始めて、ものすごく痒いんです。体にも出てます。じんましんかなと思うのですが
と患者さん。
出たり引いたりしますか?この赤いの。
とお尋ねすると
いえ、出っ放しでずっと痒いです。
だとすると、じんましんの可能性は低いですね。
一般的に、じんましんは痒くない時には消しゴムで消したように発疹が消えますからね。
それにこの赤いボツボツ、ひとつひとつに小さいキズがあります。
これ、虫に刺された跡だと思います。
ご家族には出てないのですよね?
心当たりありませんか?
どこかホテルに泊まったりとか。
ありますけど、もう1週間以上前ですよ。
あ
それだ。
たぶん
南京虫じゃないかと。
え
南京虫は、正式名称トコジラミ
ウィキぺディアの説明はこちら
南京虫の姿も見られます。苦手な方はスルーしてください
正直なところ、私は南京虫の本体を見た経験はありません。
ただ、以前新聞で、最近南京虫の被害が増えているという記事を読んだ時に気になって、あれこれ調べたことがありまして。
その時すごく参考になったアメブロ記事はこちら。
虫マニアな皮膚科の女医さんのコメントが素晴らしいです。
初めて刺されると、すぐには反応せず
7~10日くらいしてようやく皮疹が出てくる
というところが印象的でした。
でも、ロンドンで一番良いホテルに泊まったんですけど。いつも泊まってるところで。
ええ、でも他の旅行者さんが持ち込むこともあるみたいですし。
皮膚症状の治療は一般的な虫刺されと変わらないので、内服薬と塗り薬を処方しておきます。
あ、でも、私も気になるので
後で、ロンドンの南京虫事情も少し調べてみますね。
そんな約束をしたので、ネットで調べてみました。
最新情報はゲットできませんでしたが
ヨーロッパ各地でも確かに珍しくないみたいですね、南京虫。
ニューヨークでは高級ブランドショップが一時休店に追い込まれたことまであるようです
生命力もすごく強いようで
うーむ、恐ろしい
今回の患者さんで、南京虫についての認識を新たにしました。
あ、虫刺されですねー、薬出しときますー
だけで終わらせないで
知識をアップデートするのは、やはり大事だなあと思った次第です。