《症例写真》40代男性 顎の切り傷~習ったお経はドンドン読んじゃって!~ | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪


こんにちは。

もものマークのクリニック 院長てしまですもも


今回の患者さんは、出張中に転んで顎がパックリ切れた......らしい。

らしい、というのは当院に受診した時点ですでに
矢印この状態だったから



切れて、かなり血が出て焦ったけれど

手元にあったテープで自分で傷を寄せて固定したら何とかなったので

病院には行かずに過ごしました、と。


「あれ?このテープをお持ちってことは、医療関係者の方ですか?」


思わず尋ねる私。

というのも、こちらの白いテープ、普通に見えて実は高機能。

粘着力が強く、血液や浸出液はある程度透過するので

浮いたり取れたりしにくい医療機関専用の逸品なのです


「いえ、実は子どもがこちらのクリニックで同じようなケガの治療をして頂いたことがありまして......テープが取れたらこの残りで補強して下さい、と先生が下さった分が、手元に残っていたんです。」


受診もせずに勝手に自分で治療してマズかったかな??
と、ちょっぴりばつの悪そうな表情で説明してくれた患者さん。


そんなことないです!

むしろ素晴らしい!


興奮した私はバシバシ写真を撮り

「イヤー本当に100点満点の処置です!医者要らずですね!!
(←いいのか?)

と連呼し、ちゃっかりブログ記事にする了承も頂戴しました


矢印テープをはずすと傷は大部分がぴったりくっついていましたが
転倒時の打撲によると思われるダメージが少々。



ここは、ハイドロコロイドでの保護に切り替えて1週間もすれば治癒する見込み。

というわけで帰宅時はこんな感じ矢印






湿潤治療って、うちのクリニックではもう当たり前すぎるくらい当たり前だし

テレビや本で興味を持って、自分で情報収集してから受診して下さる方も

ネットの普及した現代では本当に多くなっていて

何となく
「すごくメジャーな治療法」のように錯覚してしまいがち
です。


でも実際はそうじゃなくて

ケガをして、慌てて病院を探して、たまたまうちのクリニックを受診して

偶然湿潤治療と出会った、という患者さんもたくさんいらっしゃいます。


消毒しない、乾かさない

という治療法に、最初はひるむ気持ちがあっても無理は無い。

だからこそ、不安感が極力和らぐように、説明には時間をかけるようにしています。


治療も、毎日クリニックに来院してもらうのではなく、ご家庭での処置がむしろメイン。

多くの患者さんは、毎日自分で処置をするうちに自信もついて

最初の困惑した表情はどこへやら。

どんどん頼もしくなっていきますにゃ

そしてそれが、私の意図するところでもあるのです。


いざ、自分や身の周りのひとが同じような怪我をしたとき

適切な応急処置ができるようになっていれば

病院へ行かなくても済んじゃうかもしれない。

小さいけれども、湿潤治療の普及につながる一歩なんじゃないかな、と。



門前の小僧とは違い

うちのクリニックで治療を受けた患者さんには

お経の読み方をガッツリ指導しているのですから

じゃんじゃん読んじゃってくださいね